ダンテの憂鬱 前編

きっかけは些細な事だった。

二ヶ月ぶりに愛しい彼女と再会した俺。

一緒に住み始めて、初めて長い期間離れ離れになっていたから、俺は嬉しくて嬉しくて久しぶりに抱きしめた時、つい言っちゃったんだよなあ……。

「会いたかったよダンテ」

「俺も会いたかった。二ヶ月抑えるの大変だったんだぜ?」

そう俺は言ってあいつの身体を抱きしめた。

その時感じた事をつい口に出してしまったのだ。

「……少し太ったか??」

――――この一言がいけなかった。

パシッと頬に痛みを感じると同時に、あいつの身体が離れる。

「ダンテの馬鹿っ!!」

あいつはそう俺に向かって怒鳴ると、自分の部屋に閉じこもってしまったのだ。

俺が何を言っても無視されて………。

あれから二週間、俺とあいつは言葉を交わしていない。

しかもあいつはダイエットをしているらしく、殆ど食べてないようだ。

『口は災いの元』

悩んだ末に俺は仕事仲間のレディに相談した。

「デリカシーのない奴。相変わらず女心がダメね」

レディは呆れていた。

「確かに悪かったと思っている。だがあいつは俺の話しを聞いてくれない」

「それでもあきらめないで彼女と話し合いなさい。それしか方法はないでしょう?」

「だよな……」

「後は……

レディが何か閃いたようで、ダンテに耳を貸してというゼスチャーをする。

ダンテはレディに従う。

……!?

レディの言葉にダンテの瞳がキラリと光った。

「どう?いいアイデアでしょう?」

「ああ。早速実行してみるせ!!」

レディからアドバイスを貰った俺は早速事務所に戻り、実行した。

夜。あいつが仕事を終えて帰ってくるがその顔色はよくない。

「顔色がよくないぜ?」

やっぱり無理なダイエットが影響しているのだろうか?

体調も悪そうだ。

そんな事を思っていたら、あいつが前触れなく倒れてしまったのだ。

「!!」

俺は急いで抱き上げると、ソファーに寝かせる。

顔色が真っ青だった。

……起きたらチャンスだ!!

こういう風に思うのは悪いが、もう限界だった。

この機会を逃す訳にはいかない!!

俺は目を覚ますのをひたすらに待った。

不知夜月