雨


「雨か……」


バージルは窓の外を眺めながら、ポッリ呟いた。


開け放した窓から香る土の匂い。


季節のは初夏へと歩みを進めていた。


「もう一年が経つのか。早いものだ」


窓際に飾られている真っ白い百合の花。


ここには似つかわしくない花。


お前が好きな花。


純潔を意味する花言葉。



遠くからパシャパシャと水を弾く足音が聞こえる。


「相変わらずだな……」


バージルは笑いながら窓を閉めた。


バージルはバスタオルを手に取ると、階下に下りていった。


雨予報90%


傘を持たずに出掛けたお前が、慌てて走って帰って来る。



すぶ濡れのお前の為に、温かいコーヒーでも入れてやろうか。



愛しいお前の為に……。

不知夜月