星に願いを

7月6日。

窓辺に立て掛けられた笹が風に揺れていた。

サラサラ……サラサラ……。

涼しげな音色を奏でる。

色とりどりに飾り付けられた七夕飾り。


あいつの国では7月7日、笹の木に願い事を書いて飾る風習があるらしい。


バージルは笹に近付くとぶら下がっている短冊を手に取った。


【ダンテの借金回収できますように…】

とはレディ。

【バージルに勝つ!!】

【腹一杯ストロベリーサンデーを食う!】

とはダンテ。

他にもダンテはくだらない願い事をたくさん書いている。

「くだらんな……」

ダンテの願い事を一蹴した。


不意にバージルは気付く。

あいつの願い事を書いた短冊がないと。

あいつの願い事は何だ?

「気になる……」

バージルは部屋中を見回す。

ふと、無造作に置かれた五色の短冊を見つけた。

白、紅、黄、緑、黒。

その中に、一枚だけ隠すように置かれている短冊があった。

バージルはそれを手に取る。

「ふっ……」

バージルの表情が柔らかくなった。


優しい笑みが広がる。


「よし、俺も書いてみるか……」


バージルは青い短冊を手に取った。


短冊を二つ、1番高い位置に飾り付ける。


二つの短冊は寄り添うように風に揺れていた。


【バージルが好きです。素直になりたい……】

【素直じゃないお前が好きだ……】


7月7日は七夕。

願いが叶いますように……。

不知夜月