彼女の秘密 前編
大好きな彼バージルと同棲を始めて一ヶ月。
彼が和食が好きだったり、料理が得意だったり。
意外な彼の一面を知る事が出来た。
毎日新しい発見が楽しくてしかたがない。
毎日彼を好きになっている自分に気付く。
――――でも、でもね。わたしはピンチです!!
今わたしの目の前には彼――バージルが立っていて、わたしを不機嫌に見下ろしている。
「……何故俺を避ける?」
「べ、別に避けてないよ」
「なら何故急に寝室を別々にするんだ?」
「そ、それは!」
「鍵までかけて、まるで俺を拒んでいる」
確かにその通りなんだけど、これには大きな訳があって。
じりじり間合いを詰めるバージル。わたしの後ろには壁しかない。
「今日はじっくりと理由を聞かせて貰おうか?」
いつもは優しく感じる青いバージルの瞳。今は冷たさしか感じない。
「バ、バージル?」
不意にわたしはバージルに抱え上げられるとバージルの寝室に連れて行かれる。
「ちょっと待ってよ!」
「何も聞こえないな」
マズイです!!
かなりマズイです!!
わたし、大ピンチです!!
手足をばたつかせて暴れてみるけど無駄だった。
乱暴にベットに投げられるとバージルはすかさず馬乗りになる。
「さてと、どうするかな」
口角を斜めに上げニヤリと笑うバージル。
背筋にゾクリと悪寒が走った。
最悪だ。
バージル絶対何か企んでるよ!!
バージルの手がスカートの中に入り込み、太腿を撫で回す。
「お願いだから止めて!」
「駄目だ」
バージルは襟元のスカーフを外しコートを片手で器用に脱ぎ捨てた。
このままでは最悪なパターンが……!!
絶対に嫌だ!!!
「ちゃんと訳を話すからお願い離してよ!!」
足をバタつかせ、これでもかというくらいに暴れてみせる。
こんなに暴れるのは珍しい。
本気で嫌がってるのか!?
いつもと違うわたしの様子に戸惑ったバージルの動きが一瞬止まった。
わたしはそれを見逃さなかった。
力いっぱい彼を押し退けると一目散に自分の部屋に逃げ帰った。
鍵をしめてヘナヘナと床に座り込む。
(バージルの馬鹿!!変態!!少しは女の子の変化を察してよね!!)
確かにわたしはバージルを意識的に避けている。
それは認めるけど……。
嫌いだから避けてる訳じゃなくて。
コンコン……。
ノックの音にビクッとする。
ガチャガチャとドアノブを乱暴に回す音がする。
わたしは息をひそめた……。