色褪せない想いを貴方に�C 温もり
季節は秋を迎えていた。
ナーナの発作は起きず、二人は穏やかな日々を過ごしていた。
「ナーナ?」
仕事から帰りナーナの部屋を覗く。
だがナーナの姿はそこになかった。
一体何処に?
ふと部屋の窓に視線を移す。
バルコニーにナーナの姿があった。
椅子に座って読書をしているようだ。
バージルは安堵した。
窓を開けてバルコニーに出る。
太陽は既に傾き始めていた。
「ナーナ?」
「あ……バージルお帰りなさい」
ナーナは読んでいた本をパタンと閉じる。
「ごめんなさい出迎えもしないで……」
「本を読んでいたのか?」
「天気がよかったから、外に出たかったの」
クスッと笑うナーナ。
バージルはナーナをそっと後ろから抱きしめた。
後ろから自分の頬をナーナの頬にくっつける。
ナーナの頬は冷たい。
「こんなに冷えて……」
「バージル、くすぐったいよ〜」
「黙れ」
バージルは頬を離し、ナーナの頬に唇を這わせる。
「バージル……あん……」
耳たぶを噛まれナーナの身体がビクッと震える。
「可愛いなナーナは」
耳元で囁く。
後ろから抱きしめられているのでナーナはどうする事も出来ない。
バージルに悪戯されるがまま。
愛しい恋人の温もりを身体で感じ、バージルは幸せを感じていた。
あの日が来るまでは……。
幸せな日々は終わりを告げようとしていた。