永遠に君を愛する�D* 完「ダンテ!!」
ナーナはありったけの力でダンテを突き飛ばした。それと同時にエウリノームが起き上がる。
「ナーナっ!!」
「!?」
次の瞬間、ナーナの身体に激痛が走った。激しい衝撃にナーナの瞳が見開かれドサッとその場に倒れ込んだ。
それは一瞬の出来事だった。
何が起こったのか理解した時には、身体から真っ赤な血液がとめどなく溢れ出していた後だった。
「ナーナ―――!」
ダンテは叫ぶ。
エウリノームの捨て身の一撃が、ナーナの下腹部にどす黒い穴を開けていた。
それは本当ならダンテが受けるはずだった攻撃。
ドドドドドッ!!
ドドドドドッ!!
ドドドドドッ!!
激しい弾丸の嵐がエウリノームを貫く。エウリノームが息絶えてもそれは続いていた。
「ダン、テ……」
弱々しいナーナの声がダンテを現実に引き戻す。
「ナーナしっかりしろ!!」
膝をつきナーナの身体を支える。
「あはっ。さ、いご、で……ドジ、った」
ナーナは笑った。
「馬鹿!もう喋るな!!」
ナーナの顔色から朱が消えてゆく。ダンテの周囲に広がる血液が、大きな血溜まりを作っていた。
「ダン……テ、ありがとう……」
「おい……何言ってやがる?」
徐々に失われるナーナの瞳の光。
「……最後、……お願……い」
ナーナは途切れ途切れになりなからダンテに伝える。
亡骸は『あの場所』に埋葬して欲しいと。
「幸せ、だっ……た」
「ナーナ!」
ダンテの瞳から零れ落ちる滴が、ナーナの頬を優しく伝う。
「……真っ、赤……薔薇、会いき……て」
「あぁ、必ず。抱えきれない程の薔薇の花束をプレゼントする」
「うふふ……」
ナーナは微笑んだ。
それはとても綺麗な微笑みだった。
「あい……し、て……る……」
ナーナの瞳が静かに閉じられた。
「ナーナ―――っ!!」
ダンテの悲痛な叫びが廃墟に響き渡った。
ダンテは薔薇の花束をそこに置き、そっと彫られた字を指でなぞる。
『 』
刻まれた言葉にダンテの想いが溢れていた。
「ナーナ、忘れていてごめんな……」
ダンテはそれにそっとキスをする。
「……?」
バージルがふと視線を動かすと、ダンテの側に、黒髪の美しい女性が立っているに気がついた。
女性は真っ赤な薔薇の花束を抱え、嬉しそうに微笑んでいる。それから自分を見つめているバージルに気がつくと、ペコリと頭を下げた。
バージルも軽く会釈をする。
女性はダンテの頬にキスをすると、微笑みながら光の中に消えていった。
「ダンテ、」
バージルはダンテの隣に立つ。
「彼女が」
「?」
「ナーナがお前に礼を言いに来てたぞ」
「……知ってるよ……」
バージルの言葉に頬を触りながらダンテは立ち上がる。
バージルとダンテは顔を見合わせた。
直ぐにふたりの視線は外されるが。
「ダンテ」
「何だバージル?」
ふたりはナーナの墓碑を後に歩き出す。
「人を、……人間でいるのも悪くないな」
「ああ、そうだな」
バージルの言葉にダンテは短く答えた。
――――ナーナ。俺の側にお前はいた。そしてお前にと出逢い初めて知った『愛する』という気持ち。
俺は、これからもお前を愛し続ける。
永遠に――――。
---アトガキ---
元題はForever Loveです。長らく非公開にしていたのですが、こちらに移すのに合わせて公開にしました。抑えたのですが、けっこうグロいんですよね。
ダンテが刻んだ言葉は皆様のご想像におまかせしますね。