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「そのまま寝ると風邪ひくよ。窓開いてるし」
「フッ、この身を焦がすサンシャインにウィンドを感じたくなったのさ……」
「窓の側だから直射日光受けて暑いんだよ」
「ああ」
わかっているのかいないのか、彼は怠慢に寝返りをうつ。押し入れから毛布を引っ張り出し、とりあえず側に置いておく。まだ白い陽光を受けてきらきらと輝くカラ松くんの髪の毛を指で梳くとじろりとした目で見つめられた。
「ほったらかしにしてごめんね」
「花厳の仕事だからな、仕方ないし当然の事だ。でも」
「んん?」
「寂しかったから構ってくれ」
鋭い眉と眠たげに下がった瞼がめちゃくちゃ可愛くてカラ松くんの頬を手の平で撫でると気持ち良さそうに目を瞑る。可愛い。こう見るとやっぱり十四松くんにも似てる。十四松くんも目を閉じたら睫毛が長いのだ。
「ハニー、撫でてくれるのも心地好いんだが俺達は恋人同士だぜ?」
「あっ、うん」
「さあ俺の胸に飛び込んでこい」
何が、さあ、なのかはさっぱりわからないけれど言われた通り、腕を広げてくれたカラ松くんの胸に飛び込んでみた。おそ松くん曰くのクソタンクトップだが我ながら良くも悪くも良い出来に仕上がっているのが間近で確認できる。カラ松くんの男っぽい香水の匂いがする。それと、固い。胸筋が固い。革ジャンを引き裂いた事もあるらしい。おそるべしカラ松くんの筋肉。ぎゅうっと抱き込まれると苦しいけれど幸せだ。でもカラ松くん、脚まで絡ませるのはやり過ぎだと思う。
「花厳は柔らかいなあ、餅とかマシュマロとかで出来てるんじゃないか」
「……喧嘩売ってる?太ってるって」
「えっ、売ってないし太ってないぞ。むしろ細いくらいだ。柔らかいってのは、その、褒め言葉だ」
「カラ松くんだから他意はないのはわかってるけど」
「柔らかいし良い匂いがするし、小さいし肌すべすべだしドキドキしてるっていうか正直ムラムラして」
「ちょっ、カラ松くん」
いつもより二倍饒舌なカラ松くんを押したがぴくりともしない。むしろ腰に回った腕が力強く拘束してくる。この、と文句を言おうと顔を上げたら唇をあっさり塞がれた。
ちゅ、ちゅ、と小鳥のように啄むキスだが言葉を発する時間は与えてくれない。重ねられるだけだったが、すぐに下唇を吸われた。ちゅ、と音を立てて離れたがまたすぐに押し付けられる。今度は口の端を舐められ思わず開いた唇の合間から舌が滑り込んできた。
「んむっ、ん……!ん、ふっ」
「ん、ん……」
厚い舌が私の舌を絡めて、すり合わせてくる。既に熱を持ったカラ松くんの舌になされるがまま、いつの間にか私もゆるゆると舌を動かしていた。上あごを舌先で擽られ奥歯から奥歯へぐるりと舐められる。抵抗する事も忘れた私の後頭部をカラ松くんの大きな手が包む。髪の隙間を縫って指先が頭皮をなぞる。ごくりと喉を鳴らすとカラ松くんは残った片方の手を私の服の中に突っ込んだ。腰から脇腹を這い上がる手の平は私の肋骨を撫で回す。舌を吸い上げられながらブラのホックを外されてしまった。
「はふ、は……っ」
直に乳房に触れる大きな手。優しく揉みしだかれて、自分でもわかる程つんと主張したそこを指先で弄ばれた。なんというか、カラ松くんにすっかりほだされ暴かれてしまったこの浅ましい体はたったこれだけの愛撫で反応し、欲情するのだ。ずるりと口内から舌を引き抜かれ息つく間もなく再び角度を変えて舌を挿入される。体勢もいつの間にか、カラ松くんに組み敷かれてしまっていた。縦横無尽に私の口内を荒らしながら味わうカラ松くんに恨めしさと嬉しさの反する思いを抱きながら彼の首に腕を回すと満足げに笑ったのが唇越しにわかった。
「ん、良い子だハニー」
「はあ、はあ」
「そういう表情をされると理性が利かなくなるから、気をつけてくれ」
「気をつけてって、カラ松くんが、こんな事しなきゃ」
「嫌か?」
「………じゃないけどさ」
「フッ、素直な花厳も可愛いぜ……!」
服をたくし上げられて晒された乳房に吸い付かれた。頬をほんのり赤くして夢中になるカラ松くんを可愛いとは思ったが、私の肌を舌でしっかりと嬲る仕種は男性のそれで。窓の外が眩しくて目を閉じるとまたキスをされた。触れるだけだったカラ松くんの唇はそのまま私の頬を掠めながら耳たぶを噛む。濡れた息遣いと熱いのか冷たいのかわからない感触にぞくっと腰が揺れた。
「ぁ、ふ」
「花厳……」
「っ、あ……っ何、カラ松くん、ちょ、ちょっと」
スカートの中、下着越しに擦り付けられる固いものを悟って彼の肩を押すととっくに寛げられていたベルトが見えた。いつの間に。つんつんと先端が確かに私の既に濡れているであろう場所をつっつく。あ、どうしよう、お腹がきゅんとしてしまった。カラ松くんもそれを感じ取ったのか含み笑いをするとそのまま腰を動かし始めた。
「や、ぁ、あっ……!ま、待って、っ」
「これ、やらしいな」
擦れる感覚がもどかしい。それでも下着越しのカラ松くんの熱に気持ち良くなってしまって無意識に律動に合わせて腰を押し付けたらしい。摩擦が強くなってぞくぞくと背筋を震わせるとスカートまでをたくし上げられた。離れていく熱が物足りずに爪先を強く丸めるとカラ松くんに擽られた。すぐさま下着を引き下ろされる。カラ松くんの視線がたった今雄を求めていた所に注がれていて、あまりに恥ずかしくて目を逸らすしかない。
「……フ、フフ、すごく濡れてる。とろとろだ」
「ご、ごめん……」
「何で謝るんだ?ちょっと刺激しただけなのに、こんなに濡らしたからか?」
それ、カラ松くんにも一因があると思う。そう言いたくても羞恥心で喉が詰まってもう一度謝罪を述べるとカラ松くんは目を細めて口角を上げた。見た事がないくらい、意地悪な笑い方。ジーンズのポケットを漁って目の前に差し出されたそれは、いつもの避妊具だった。
「つけてくれ」
避妊具を握らされ、胸元にカラ松くんが跨がってきた。眼下に押し付けられた雄が私の肌をゆるりと滑る。間近で見るのは初めてで、握らされた避妊具の封を切ったはいいが直視する事はできない。どうするんだっけ。どうすればいいんだっけ。手が震える。こっち向きだよね。薄すぎて破けそう。戸惑っているとカラ松くんは装着しやすいように雄の根元を握った。先端にそっと被せてみる。
「そこの空気を摘んで抜いてくれ」
言われるがまま、する。中々難しい。ぴったりと沿うゴムはとても薄いけれど痛くはないだろうか。丸まった部分を伸ばしながら、小数点以下越しの雄に手が擦れるとカラ松くんが更に笑みを深くした。
あ。そうか、これを受け入れる準備をしたのか。
それに気付いた瞬間、カラ松くんにキスをされた。手首を大きな手に包まれる。いつの間にか脚の間にカラ松くんがいて、両手は布団に縫い付けられてしまっていて。宛がわれたと思ったらそのまま、挿入された。
「ふっ、あ!……っ、あ……」
ぞくぞくっと震えるとカラ松くんの唇が頬を掠める。ゆったりと押し上げられながら優しくて甘ったるさを感じる温かさが気持ち良くて、切り揃えられた前髪に擦り寄るとくつくつと喉を鳴らす音。
「ん、っ……あ、う」
「可愛いな、気持ち良いか?」
「う、んっ……!はあ、あっ」
「中、柔らかい。とろとろなのに締め付けてくる……」
うっとりと囁きながら動くカラ松くんだが何故か違和感がある。何と言うか、少し含み笑いをしているというか。陽光が眩しくて筋肉の張った肩に額を寄せるとカラ松くんの息遣いではない音が通り過ぎた。
―――でさー、昨日それから―――
―――えー?どうなったの―――
「っ、あ、!か、カラ松くんっ、窓っ」
そうだ、窓が全開のままだった。ここが二階で良かったと心底思ったが店に面した下の通りは人がよく行き交う。彼らの話し声が聞こえてくるという事は、当然こちらの声も。体は火照っているのに顔の血の気だけが引いて窓を閉めようとしたがカラ松くんは私の手を離そうとはしない。元よりカラ松くんの力は強い。更に体重をかけられてるからびくともしない。困惑しながら彼を見上げるとから揚げを目の前にした時のように笑った。
「きっ、気付いてたなら閉めて……!」
「んー?聞こえないな?」
「えっ、え?あ、あっ、嘘、や、あっ!」
突然激しく突き上げられて揺さ振られる。ぐちゅぐちゅと音を立てられて声を我慢できる筈がない。奥を引っ掻き回されて、止まってほしくてカラ松くんの腰に脚を絡めるとさらにのしかかってきた。違う。そうじゃない。
「ひゃ、あっ、ぁ」
「はっ、はっ、すごく締まってる」
「ばっ、かあぁ……っ、ん、ん!」
―――なにそれホントー?―――
―――ホントだってー!あれ、何か――
――聞こえない?
窓の外のその言葉に咄嗟に唇を噛み締めた。ヤバイ。本当に聞こえてしまう。真昼間から、いや夜でもどうかと思う。情事中の声を他人に聞かれるなんて、そんな死んでしまいたいくらい恥ずかしい事。それでも止まらない律動にどうしようもなく息が上がって、必死に押し殺そうとしても声が喉の中で暴れて、すごく苦しくてじわじわと涙が溢れてきた。自分でもカラ松くんを強く締め付けてるのがわかる。行き来する雄の形がすごく感じるからだ。奥まで押し入って不規則に粘膜を引っ掻かれる。ずるりと引き抜く時に自分の中がカラ松くんに吸い付いてるのがわかる。抵抗もできないまま、与えられる快感に声を殺しながら頭が真っ白になった。
「―――〜〜〜!!っ、ふ、んんッ……〜〜〜っ、っ」
お腹の底からビクビクと快感が頭の先まで上ってきて、のけ反ると達した私に気付いたのかカラ松くんが動きを止めた。眩しくてカラ松くんの顔がわからない。でも熱い頬に涙が伝う感覚があった。我慢してた声が息と一緒に微かに込み上げる。
「はう、は、はあ、カラ松くん……っ、や、優しくして……っ」
のしかかっていたカラ松くんが体を起こす。肩で息をしているのがシルエットで見えた。解放された両手で涙を拭っていると窓が閉まった音と、カーテンが引かれた音。薄暗くなった部屋の中でカラ松くんが上気した顔でこちらを見下ろしていた。
「もう、声我慢しなくていいからな。泣くな、花厳、かわいい。すごくかわいい」
「ふっ、う、んんっ……」
「虐めすぎたな。良い子だ、ハニー。いっぱい声だしていいからな」
「う、あっ、あっ、はう、う、あっあ」
「次は一緒にイこう。力抜いて……そう、良い子。良い子だ花厳」
たくさんキスをされながら背中に腕を回されて、促されるままにカラ松くんにしがみついて今度は力がなくなるまで優しく蕩かされたのだった。
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