葉書





ニートの朝は遅い。起きる必要がないからそれは必然でもある。まずゆっくりと目を覚ますのはチョロ松だ。彼のあくびにつられてトド松がスマホを確認する。その光でカラ松が起き上がると一松が寝返りを打つ。チョロ松の声でおそ松が寝癖のついた頭を掻き、十四松がパッチリと目をあける。
一階の松代の合図で六人それぞれがやっと布団から抜け出すのだ。
トイレや洗面所が混むのは仕方ない。今回はおそ松が一番早かった。トイレの順番待ちをしていた十四松にエプロンを外した松代が葉書を差し出した。

「はい十四松。あなた宛よ」
「僕?」

来る郵便物といえば店のクーポンがついたものくらいだが、それには切手がきっちり貼られ、ボールペンで書かれていた。十四松は文面を確認し、ひっくり返す。

「ふー、次いいよ」
「はいはーい!!!はいはいはい!!!」
「うわあっ!?」

トイレから出てきたおそ松を押し退け用を済ます。顔を洗って、ソワソワと全員が食卓につくのを待った。手の中の葉書の送り主の名を何度も見ながら怪訝そうな兄弟達が皆座った瞬間に白米を掻き込んだ。

「十四松、飛んでる」
「十四松兄さんこぼしてる」

兄弟達の気だるげな声を聞き流し、流しに茶碗を運ぶ。二階に駆け上がり服を着替えて玄関を走り抜けた。


拝啓、十四松くん。
お元気ですか?
突然ですが、赤塚町に戻ることにしました。
私が住んでいた家で、両親の店を再開したいと思っています。
よければ遊びに来てね。
敬具




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