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「花厳、今日何があった?」
「んー?」
「言えよ」
丑嶋の大きな背中に抱き付くとピクリと動く。丑嶋の手の中のうーたんが逃げた。ごめんねうーたん。
「いやあ、寂しくなっちゃって。ね、丑嶋」
「何」
「長生きしてね」
ピアスがたくさんついた耳にすり寄ると丑嶋の腕が私の頭を掴まえた。ずるっとソファーの背凭れから引っ張られ、立ち上がった丑嶋に担がれる。
「冷てぇ。水被ったな?花厳」
「はっはー、バレた?んえっ、ちょっと?もう寝るの?」
「まだ」
「でもそっちベッド……え?嘘でしょ。明日も普通に忙しいんだけど?」
「頑張れよ」
「頑張ってるよ!」
ベッドにポイッと投げられ、丑嶋が眼鏡を外しサイドテーブルに置く。いつの間にか寝室の照明が暗く落とされていてでかい図体が覆い被さってくる。逃げ場なんて最初からないし、逃げたらこいつは文字通り地の果てまで追ってきそうだ。寄せられた顔にぎゅっと目を瞑ると厚い唇を押し付けられた。ちゅ、と可愛い音がする。それを何度か繰り返していると丑嶋の手が私のパジャマのボタンを外す。それはもう電光石火のごとくブラのホックまで外されて気付いたら舌まで入れられていた。体の端から端まで、全部が大きい丑嶋の舌で口内がいっぱいになる感覚。苦しいけれど日頃の行いからは想像できないくらいに優しい舌使いにすぐに頭がぽわっとしてくる。肋を撫でる丑嶋の手にぞわぞわしてきた。
「ん、んっ」
丑嶋の肩に触れると大きくて熱い両手が私の胸を寄せ上げる。あんまり無いのが申し訳ない。脇から覆うように愛撫されて持ち上がったブラの隙間に顔を突っ込まれた。髭が肌を擽る。今まで唇で感じていた舌が胸元を滑る。ぎゅうっと短く切り揃えられた頭を抱き込むと丑嶋と目があった。また顔を寄せられる。ああ、こいつ、私がキスされるの好きなの知っててやってるな。
丑嶋の左腕が背中に回って少しだけ抱き起こされる。絡まる舌に必死になっているとパジャマと下着の中に右手が突っ込まれた。びくっ、としてしまった私を強く抱きすくめるのは初めての時に痛がったからだろう。逃げないから、丑嶋。私のよりもよっぽど太い指が敏感な部分に触れて、やっぱりびくっとしてしまった。大丈夫、もう怖くないって。ずーっとキスをしてくれるのはもしかして甘やかしてくれてるのかな。そう考えると胸の奥のヒリヒリとしたものが無くなってきて、変わりに熱くて重くなってくる。ああ、私丑嶋に欲情してる。浅い部分を弄んでいた指がそれを見計らって、ぐっと奥に押し込まれた。
「ぁ、あっ」
長いし、ゴツゴツしてる。ぎゅうっと締め付けるとくちゅくちゅと音を立てながら動かされる。すぐに私が反応する場所を探り当てられて腰が揺れた。
「あっ、う。あ」
生理反応でびくびくと落ち着かない足に丑嶋の足が絡まる。身動きが全く取れなくて、でも気持ち良いところは強く刺激されて丑嶋の肩に顔を押し付けて耐える。
「良さそうだな」
「んっ、うん。は、はあっ」
「一度イっとけ」
「え、っ、あ!あぁ、も、それ、やだ、やめて」
お腹側をぐいっと指で押し上げられる。すぐに気持ち良くなる場所。初めての時、丑嶋に見つけられたところ。すごく濡れてる音がして爪先が伸びる。あ。丑嶋のシャツを強く掴むとお腹の奥を引っ掻かれた。
「っ、あ、ぁ!」
目の前がチカッとして体が跳ねた。頭の中に白い何かが広がるような感覚。これ、イった。同時に丑嶋の手が止まってゆっくりと引き抜かれる。私のパジャマから出てきた手がすごく濡れていて潔癖気味の丑嶋に少し申し訳なくなった。
「花厳」
「はあ、はあ……ん?」
「大丈夫か」
悪い目付きの奥の瞳が優しくて何だか大きなものが胸に込み上げてきて、目頭が熱くなる。潤んできた視界をごまかそうとしてもどうやらバレバレらしく、額に口付けられた。
「社長〜、丑嶋ぁ〜」
「うん」
「好き。ほんと好き」
「知ってるよ」
「丑嶋も私の事好きなくせに〜、もぉ」
「うん」
否定しないでいてくれる。目尻から涙は溢れたのに笑えてきて、くすくすと笑うと丑嶋の口角が上がった。あー幸せ。丑嶋のこういう顔を見ると一日の全部の事が幸せになる。
パジャマのズボンから下着まで脱いで、丑嶋の体が両脚を割る。とっくにゴムをつけていてくれたらしい。宛がわれて、私の顔色を窺う丑嶋に頷いた。指とは比べ物にならないものが入ってくる。私にはすごく大きい。まだ苦しさを感じるけれど丑嶋に抱き締められるとそんなのどうでもよくって。またキスをしながら、ゆっくりと一番奥まで挿入された。
「ん、あ、はぁ……っ」
丑嶋が中にいる。隙間無く全部を満たしてくれている。自分と丑嶋の境目が蕩けてしまったような感覚にまた腰がびくびくとした。それを合図にゆったりと抽挿が始まる。固くて出っ張ったところがお腹の方を引っ掻く感覚に酷く震えた。
「んあ、ぁっ……う、んんっ」
「痛くねーか」
「うん、んっ。大丈夫、気持ちい……っ」
膝で脚を持ち上げられて丑嶋の腰を脛で挟む。「動きにくい」と言う丑嶋の目元は笑んでいる。うん、ごめんね。我慢できなくって。ゆるゆると腰を動かしながらシャツを脱ぎ捨てた丑嶋の筋肉質な肌にすり寄る。少し汗ばんでいるのはお互い様だ。丑嶋の鎖骨を啄んで、さっきされたように肋の位置を撫でる。筋肉に覆われていて下にあるであろう骨を感じる事はできない。丑嶋の指が額を滑って濡れた前髪を分けてくれる。そのまま髪を耳にかけられて、剥き出しになった耳を舐められた。
「ひっ、あ、んん」
頬に当たる髭がチクチクする。本人はチクチクしないんだろうか。目の前にあるピアスが三つもついた耳を見て、私も真似てみる。これ、私はぞわっとするんだけど丑嶋はどうなんだろ。舌先で耳殻をなぞってふう、と息を吐くと筋肉質な肩が僅かに反応した。丑嶋も耳はそんなに強くないんだね。ふふ、と笑うと丑嶋の両手が私の骨盤を掴んだ。
「余裕あンな」
「余裕では、ない」
「ふーん」
見下ろしてくる丑嶋の顔がいつもの社長の表情で、ヒエッと声を出すと勢いよく奥を突かれた。
「あっ!」
「優しくしてやろーと思ったけど大丈夫そうだな?」
「えっ、あ、あっ、ご、ごめん、んんっ!」
「もう十分だろ」
いつもの怖い顔をしている丑嶋に懇願するもぐちゅぐちゅと中を犯される。浅く動かれたかと思えば、一気に奥までグラインドされて不規則な動きに背中が浮く。こじ開けられているような感覚。それでも痛みを感じないのは一見乱暴そうな丑嶋が丁寧に私を愛してくれているからだろう。
「はぅ、あ、あっ……!」
気持ち良いところを擦られて押し上げられる。激しくてもやっぱり私の良いところを熟知している丑嶋によってすぐに快感の波に飲まれていく。私がイきそうなのは多分もうゴム越しに伝わっているだろう。強く締め付けても抽挿は一切緩まず、私を追い詰めていく。
「うし、じまっ」
「ウン?」
「も、だめ」
「おう」
丑嶋が私の腰を掴んだまま体を寄せてくれる。セックスの時、特にイく時に密着していたい私に何も言わずにそうしてくれるのだ。丑嶋の首に手を回して大きな体に収まる。擦り寄れば首筋を何度も啄まれる。抽挿と反するようなその仕草が優しくて。ああ、もう。丑嶋本当に好き。
「イ、くっ、丑嶋っ、あ、あっ!」
「いいよ」
「あっ、は、あッ……!ーーーひあ、ぁっあ……!!」
イった。ビクンッと体が跳ねた。あまりに強い快感に涙が溢れる。どこかに引っ張られるような、自分の体が自分のものじゃなくなったような。すぐにゴム越しに丑嶋が射精したのを感じてまた背中がぞくぞくと震える。まだ痙攣してしまう中と体に、丑嶋はゆっくりと腰を前後させた。
「ふっ、あ!ぁ、も……っ」
「イった後動かれンの、好きだろ」
そう。絶頂の波が引かない。ぶるぶる震える私に丑嶋がキスをしてくる。もう、それだけでまだイってるような感覚になる。丑嶋の手のひらが下腹部を撫でるもんだから、まだ挿いったままの丑嶋を強く締め付けてしまった。
「はっ、はあ……!丑嶋、も、気持ち良かったから、もう、大丈夫……寝よ?明日も、仕事……」
「もうへばってンの?」
「いや、へばらないの……?嘘?ちょっと?あっ、やだやだ、まだおっきいんだけど!」
「お前、自分が何言ってるかわかってる?」
「丑嶋のスケベ、明日に響くってぇ……!」
「ゴム代えるわ」
遠慮無くずるっと引き抜かれて声を上げるとまた深いキスが始まる。避妊具の封を切る音が耳に届いて、これはもう観念せざるを得ないと悟った。お酒も普通に飲んだ癖に。スケベ。絶倫。
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