転校生



街の治安が大いに荒れているのと同じく、私のクラスも荒れていた。バカの柄崎と加納のせいである。なんやかんや不良街道まっしぐらな二人のせいでクラスの男子が二人の子分になった。言うこと聞かないと暴力に出るらしい。女子は関わりたくないばかりに男子達の素行に目を瞑っている。担任なんていないのも同じだ。
そんな中、クラスに新しい生徒がやってきた。丑嶋馨。男子。こいつも目付きがヤバかった。転校早々、気に入らなかった柄崎が絡むも丑嶋は意に介さず。その態度に益々腹を立てたのは幼馴染みではなくともわかった。
大丈夫かな、なんて思っていたのも束の間。

「え!?丑嶋!!?」

丑嶋が血塗れの頭を抱えて倒れていたのである。地面に一体どれくらいの血が染み込んだかわからない。駆け寄ると腫れ上がった顔なのに変わらない目付きで睨まれてしまった。意識はあるんだ。

「大丈夫?大丈夫じゃないよね?立て……ないよね?救急車呼ぶよ」
「………いい。自分で行く」
「行けないよ!行けないから!まっ、立つな動くな!頭打ってるんでしょ!救急車呼ぶ!だめ!動くなよ丑嶋!」

取り出した携帯で迷わず三桁。住所を伝えながら未だにドクドクと流れる血をハンカチで押さえる。これやったの間違いなく柄崎達だろ死ね。丑嶋の意識を保とうと話を続ける内に救急車のサイレンが近付いてきた。 同じ14歳にしてはゴツゴツとした手にハンカチを託して救急車に大きく手を振った。




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