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と、何故私がここまで知り得ているのかというと黒酢中どころかこの辺一帯を牛耳っていた花沢が陥落したことにより付近の中学の不良共がざわついているからだ。突如現れた塩中の裏番とやらにいてもたってもいられないのか、大抵の不良は殺気立っているようで。それはもう、帰る道すがら元々素行がよろしくない私は黒酢中という事もあり所謂"花沢をやったのは誰なのか教えろ"という感じに絡まれるのだ。
「いや知らないから。興味もないし」
「ああ?お前花沢と同じクラスだっただろ」
「聞こえなかったのかよ」
マヨ中の不良二人組の横を通り抜けようとすれば肩を掴まれた。大声で叫ぶぞこのやろう。
「俺らは白Tポイズンを探してるんだよ。情報を出せ」
「そのダサいネーミングセンスは何だ誰がつけたんだ。お前ら頭悪いの?私は知らない興味ないって言ってんの」
「あ?態度悪ィじゃねえか御笠守!」
「態度悪いのはお前でしょまず頭下げろバーカ!!」
私の肩を掴んでいる腕を絡め脇に挟み、体勢を崩した男の腰に蹴りを一発叩き込む。すかさず拳を振り上げてきたもう一人の顔面に通学鞄を投げ付けてから拳を握っていた腕を取り勢いのままに掴み、腰を押さえ這いつくばっていた男に向けて一本背負いを決めた。見事に二人して沈んだ不良を尻目に通学鞄を拾い上げ埃を叩いていると背後で砂を踏む音。仲間かと振り返るとぽかんとした花沢がいた。
「君がやったのかい?」
「そうだけど」
「君が強いとは聞いてたけど……女の子相手に二人がかりでなんて危ないな。でも、君もだよ」
「私は正当防衛ね」
「正当防衛でも恨みは買うだろ。そういうやつらからの君の噂は僕もよく聞いてる。喧嘩はやめた方がいい」
「絡んでくるこいつらに言ってくれないかな」
白目を向いてるマヨ中生徒に溜め息を吐く。そして一因でもある花沢を睨むと首を傾げた。盛りに盛った金色の頭頂部が揺らぐ。
「君って人は……」
「何、文句あるの」
「とにかく、全てが勝てる相手でもないだろう?気をつけなよ」
「はいはい」
妙に絡んでくるようになった花沢に手を振ると花沢も歩き出す。そっか、方向は同じなのか。いつも女子とデートをしていた花沢も真っ直ぐ下校するようになったらしい。それでもやはり、黒酢中の女子生徒は花沢を見かけると黄色い声を上げて手を振っている。花沢もそれに応えていた。
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