「ねえ、ナマエ、ユリーカ!博士の所に行ってみない?」
「うん、行く!」
『賛成!博士の庭でスケッチしたいと思ってたんだ』

セレナに誘われて私とユリーカは研究所の庭にいるプラターヌ博士の所へ向かった。

私達が庭へ入ると大きな音と共にトラックが入ってきた。突然の大きな音に持っていたノートとペンを落としてしまう。
するとトラックからRの文字が描かれた独特の衣装を着た長髪の女の人とニャースが出てくる。そして彼女たちはプラターヌ博士を捕まえるとトラックの後ろ荷台に入れた。

「あっ、あいつら!」
「ロケット団!博士を助けなきゃっ」
「あたしも!」
『えっ?セレナ、ユリーカ!ちょっと待って!』

セレナとユリーカがトラックの方へ走り出すので、私もその後を追いかける。

『セレナ、あの人たちいったい何なの?何が起こってるの?』
「あいつら、ロケット団っていってね人のポケモンを盗む悪い奴らなのよ」

その言葉に絶句した。ドラマや映画の中の話じゃなくて、世の中にそんな悪い人が本当にいるなんて。
そして荷台を開けると博士が網でぐるぐる巻きにされて横たわっていた。

「博士!」
「君たち、来ちゃ駄目だ!戻りなさい」
『今、助けますね!』

博士の制止も聞かず私とセレナは博士に巻き付いている網を取ろうとした。すると荷台のドアが閉まりトラックの発進音が聞こえる。

「ちょっと!開けてよ!ねえってば!」

ユリーカがドアを叩くも開く気配はない。そしてトラックは私達4人を乗せたままどこかへ走り出した。

『これ本当にまずいことになってきたんじゃ…』
「どうしよう!セレナ!ナマエ!」


*


何分経っただろうか。私達を乗せたトラックはゆっくりと停止する。そして荷台のドアの近くで話し声が聞こえる。
まずい、ドアが開けられてしまうと私達がここにいることがバレてしまう。私はセレナ、ユリーカ、博士に視線を送る。みんな私と同じ気持ちだったようで焦っているようで。

『ど、どうしよう。私達ここにいることバレちゃったらまずいよね?』
「え、ええ。かなりまずいわ。どうしよう…」
「ああ!ドア、開いちゃうよっ」

キィっという音と共にドアが開かれた。さっきの女の人と同じ服を着た男の人が立っていた。

「こいつらいつの間に!」
「何なんだお前ら!」

2人がそう私達に言うと、セレナとユリーカが急に立ち上がりポーズを取った。

「何なんだお前ら、と言われたら答えてあげるが世の情け!」
「せ、世界の破壊を防ぐためっ…」

ビシッとポーズを決めているユリーカに対してセレナはすこし恥ずかしそうにポーズをとる。
私は2人がロケット団の気を引いているうちに、デデンネと一緒に博士の網を解く作業に戻る。

「何マネしてんのよ!」
「押しが弱い!博士から離れろ!」
「嫌よ!私達と博士を解放しなさい!」
「うるさいジャリガールね、さっさと出てきなさい!」
「さもないと…」

すると男の人がガムテープを取り出して、女の人と一緒にトラックの中に入ってきた。

「なんか知らないガキンチョも混ざってるわね」
「一人増えたところで動けなくすれば変わらないさ」
「えっちょっと」
『きゃ、やめてっ』

さすがに大人の力には勝てるはずもなく、私達3人はガムテープでぐるぐる巻きにされた。手が拘束されているからセレナと私はポケモンを出すことができない。
ユリーカがデデンネを呼ぶが、とうのデデンネはポシェットの中で眠っていた。万事休すだった。

「メガシンカの秘密を知りたいだけだニャ。それさえ手に入れれば開放してやるニャ。もし教えニャいと言うなら…」

ロケット団2人の間に現れたニャースが喋り始めた。手が拘束されていることよりも、喋るニャースなんて見たことが無くて吃驚する。
ニヤリ、と笑ったニャースとロケット団。するとニャースが持っていたガラス板に爪を立てて引っ掻いた。
キィーと不快な音が耳をつんざく。

「やめろ!分かった、教える。メガシンカの資料はポケットの中だ」
『博士っ!』
「いいんだ」

博士は私の方を見て力強くそう言うから何も言えなくなってしまった。
そしてニャースは博士のポケットからメモリーを取り出し、ロケット団の2人によって私たちは古びた車庫のようなアジトへ連れて行かれた。


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