「みんな!デデンネが!」

デデンネの後を追っていると、急に止まりヒゲからパチパチとさせていた電気エネルギーが強くなった。
キョロキョロとしたデデンネはこっちだ、と言わんばかりに鳴いた。

「ピカチュウか!?」
「そうかもしれませんね!後を追いましょう」

デデンネの後を追いかけていると向こう側にピカチュウ達が見えた。その中に私のロゼリアもいて、走る速度が早くなった。

『ロゼリア!よかったあ、無事だったのね』

私はロゼリアに、サトシはピカチュウとケロマツに、セレナはフォッコに、シトロンとユリーカはハリマロンの元へ駆け寄った。
爆発に巻き込まれてあの高さから落ちたというのに、ロゼリアは落ち着きはらっていた。むしろ私の事を心配してくれているようで、両手の花で私の腕をぽんぽんと撫でてくれた。

「ニャー、良かったニャ」

皆が感動の再会をしていると、その場にいたニャースが胡散臭い笑顔でこちらに近づいてきた。

『あ、喋るニャース!』
「何でアンタが一緒にいるの!」
「それにヤンチャムまで」
「細かいことは気にするニャ。問題はこいつニャ」

ニャースが指さした先には、さっき私達のランチを全部食べたヤンチャムに似た大きなポケモンがいた。その場に座り込んで何だか元気が無さそうに見える。
するとサトシがポケモン図鑑をそのポケモンに向けた。

"ゴロンダ こわもてポケモン ヤンチャムの進化形"
"気性が 荒く 喧嘩っ早い。口に 加えた 笹の葉は 感覚器官の 役割を持ち 周囲の動きを読み取る"

図鑑は今にも襲ってきそうなくらいの怖い顔をしたゴロンダが映し出された。

「ハリマロンのせいニャ。大事な葉を木っ端微塵にしちゃったのニャ」
「それで元気がないのか」
「ハリマロンがびっくりして思わず出したミサイルばりが当たったのニャ」
「そんな事が…。ゴロンダさん、ごめんなさい」

どうやらゴロンダが元気がない理由がハリマロンのせいらしく、眉を下げて申し訳無さそうにシトロンが謝る。その後にハリマロンも小さく鳴いた。
しかし、ゴロンダの周りにいたヤンチャムはこちらを睨んで何かを言い始めた。
すかさずニャースが翻訳する。

「ヤンチャムたちが怒ってるのニャ。自分たちのリーダーが元気になるにはお気に入りの笹の葉がいるって言ってるのニャ」
『笹の葉なら周りにいっぱいあるけど…』
「この先にある岩に生えてる笹じゃないと駄目だっていてるのニャ」
「確かにゴロンダは個体によって笹の葉の好みが違って、自分にあったものが見つかるまで探す事があるって。
…僕が探してきますよ。これはトレーナーの僕の責任でもありますから。な、ハリマロン。一緒に探そう」
「俺も手伝うよ!」
『私も一緒に探すよ。大丈夫、きっと見つかる』
「そうと決まればさっそく行きましょう!ヤンチャム、案内してくれる?」

私を含めた皆もゴロンダの笹の葉探しを手伝うことになった。ニャースはというと、ゴロンダが心配だからここに残ると言った。
あんまり信用はできないけど、ニャース一人では何もできないと思い、その場にゴロンダとニャースを残して私達はヤンチャムの案内に着いていくことにした。

「皆さん付き合わせてしまってすみません」
「何言ってんだ、仲間の責任は皆の責任だろ?」
『困った時は助け合いだよ、シトロンくん』
「ありがとうございます…!」

ヤンチャムの後を追って竹林をかなり進んで行くと、岩場に囲まれたところへ出た。ヤンチャムがあれだと指を指す先には反り返った岩とその先に一本の竹が生えていた。

「あんなところに!」
「あんなゴロンダがよく咥えようなんて思ったわね…」
「こだわりって事でしょうか」
「それよりどうするの?」
「俺が行く!」
「待ってください。危険ですよ!」

シトロンの制止も聞かず真っ先に岩に向かって登ろうとしたサトシだったが足場が安定せず、1mすら登れなかった。

『やっぱり登るのは危険だよ。何かいい方法はないかな?…あ!』
「ナマエ?何か思いついたんですか?」
『ねえ、"つるのムチ"で取れたりしないかな』
「そうか!やりましょうハリマロン!」

私のアイデアでハリマロンの"つるのムチ"で笹が取れないか試して見ることになった。すると、ハリマロンの首元から出たつるは見事笹を掴んだ。
そしてヤンチャムに笹を渡すと私達は急いでゴロンダの元へと戻った。

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