私達は変装をしたハリマロンに発信装置を付けケージに入れ、コフーライが最初にいた場所に置いた。
あとはダズが回収するのを待って、そこから逆探知で追いかけるだけだ。
私は少し離れた草むらに隠れてダズが来るのを待った。

「あとはダズが現れるのを待つだけね」
「彼が現れないと計画が成り立ちませんからね」
「ダズは強欲な男。落とした商品は必ず回収に来るわ」
『回収さえしてくれれば、その後を追ってアジトまで行ける』
「ああ、ダズのアジトを暴いてやるぜ!」
「あ、来たよ!」

草むらで待機して数分、ダズがあの時の車に乗って現れた。タブレットを持って車から降りて来たダズはケージを見つけると持ち上げて中にいるコフーライを確認した。

「おお、知らん間にコフーライに進化しとるがな!少しぽてっとしてて変な声出すなあ。もしかして、すんごいビビヨンになるんとちゃうか?あはははははは!」

「ほな行くだず〜」と大きな独り言を言いながらケージを車に積み込むとダズは走り去って行った。バレなくて良かった。まずは第一段階クリアだ。

「どうやらバレてはいないみたい」
「変装大成功ね」

草むらから出ると、シトロンが逆探知マシンを見る。
そこにはハリマロンに付いたチップの位置を知らせる赤い点がピコピコと離れていってるのが分かった。
シトロンを先頭に、ジュンサーさんと私達は赤い点が向かう所へと走っていく。

「ダズは森に入っていったようです!」
「見失ったら大変よ」
「大丈夫です。チップの電波を受信している限り…、あれっ?」
『シトロンくんどうしたの?』
「え、あのっ、決して故障したわけでは!」

先頭を走るシトロンが止まった。私はシトロンの異変に気づいて隣に行ってのぞき込んだ。そこにはビリビリと揺れる装置と焦るシトロンがいた。
あ、まずい、そう思った時にはすでに遅くボフッという音ともに爆発した。

「仕方ないわね。私は先に行くわ。みんなは無理しないでね!」
「ジュンサーさんも!」

ジュンサーさんはバイクを走らせて先に行ってしまった。さて、私達はどうやってダズのアジトを突き止めようか。

「すみません。肝心な時にお役に立てず…」
『そんなこと無いよ。シトロンくんの装置がなかったらここまで来れなかったもの。大丈夫、ここからは私達に任せてよ』
「ああ、ヤヤコマ!頼む!上空から車を探してくれ」
『グラエナ。車の走った後を追いかけてくれる?』

私はグラエナで陸から、サトシはヤヤコマで空からダズの行方を追った。


*


車の後を追いグラエナを先頭に走っていると、上空から捜索していたヤヤコマが戻ってきた。どうやらダズの車を見つけたらしい。

「いたのか?案内してくれ!」

元気よく鳴いたヤヤコマは車が向かった方へ飛んでいく。私達もヤヤコマを追いかけた。
追いかけていくと段々と山の上部になって、傾斜がかなりキツくなってきた。
するとヤヤコマが急に気に止まった。

「どうした?」
「もしかしてこの近くにダズのアジトが?」

そうだ、と言うように鳴いたヤヤコマはすぐ先の開けた土地を見た。そこがダズのアジトのようだ。

「よくやったぞ」
『グラエナもお疲れ様。途中までありがとう』

サトシと私はポケモンをボールにしまった。そしてダズのアジトに近づいて見ると、ダズが乗っていた車がありそこにはダズ本人がいた。

「見張りとかは居ないみたいね」
「そういえばジュンサーさんは?」
『ジュンサーさんが来るまで待機だね』
「待ってる間に逃げられたらまずい。行こうぜ?」

ジュンサーさんを待ってから、次に何をするか指示を仰ぐ。それが一番の安全策だ。私とシトロンくん、セレナはそう思ってサトシを止める。

「で、でも。正面から行ってポケモンを人質にされるとこっちが不利よ」
「確かに。最も優先すべきは捕まっているコフーライたちの救出です!」
「じゃあ、どうすればいいんだ?」
『まずは中の様子を確認、かな』

そう言うとサトシはケロマツをボールから出した。建物の中に人が居なかったら丸のポーズをさせる指示をした。
ケロマツは軽やかにドラム缶やパイプを伝い建物の屋根へと飛び移り中の様子を確認する。
数秒後、屋根の上に登ったケロマツは丸のポーズをした。どうやら中には人はいないようだ。

「中にダズはいないようだな!」
「じゃあ今のうちに!」
「まずは捕まったポケモンたちを開放しましょう!」
「おー!」
『ねえ、本当に大丈夫なのかな?さっきダズ車が見えたけど…』

アジトへ近くみんなに不安になってそう聞いた瞬間、足元がひゅんと浮いた。ぎゅっと目を瞑る。
次に目を開けたとき周りには網があり、サトシ以外は宙に浮いていた。私の捕まっている網にはシトロンくんとピカチュウが、隣の網にはユリーカとデデンネとセレナが捕まっていた。

「ピカチュウ!みんな!」
「あらら、一人と一体溢れてしまっただず」
「ダズ!」
「なんや、わしを知っとんだず?」
「セレナたちを降ろせ!」
「やかましいわ!わしをだまくらかしやがって!これはお前らの仕業だずな?」

声を張り上げたダズはケージを取り出した。そこにはコフーライの変装が取れたハリマロンが閉じ込められていた。

「ガタガタ道で変装が取れたんや。まあええ、コイツもしっかりわしが売り捌いたるだず」
「そんなことさせるか!」
「うるさい!そんなことよりさっさとコフーライを渡すだず!」

激情しただずはボールからホルードを繰り出した。するとケロマツがサトシの前に現れた。

「相手は地面タイプ!水タイプのケロマツなら効果は抜群です!」
「サトシー!頑張ってー!」
「そんなやつに絶対負けないで!」
『サトシ!ケロマツ!大丈夫!頑張って!』
「ああ、任せとけ!」

こうしてダズのホルードとサトシのケロマツのバトルが始まった。

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