「ただいまー!」
プルミエさんに着いていくこと数分、少し大きめの建物が見えプルミエさんは中に入っていく。
すると、小さい子供たちがプルミエさんにわらわらと集まり「おかえりなさい!」と声をかけた。
ここはどうやら幼稚園みたいだ。
「先生?」
「プルミエさんってこの幼稚園の先生なんですか?」
「ええ!みんな、いい子にしてた?」
プルミエさんが子供たちにそう聞くと元気よく返事をした。
「うん!仲良く遊んでたよ!」
「ねえねえ、今日はどんなポケモンなの?」
するとその中にいた女の子がこちらを向いて叫んだ。
「ああ!ピカチュウ!」
それに反応して子供たちが一気にピカチュウのところに集まった。
「そっかあ、今日はピカチュウを連れてきてくれたのね!」
「すごーい!僕、本物見るの初めて!」
物珍しそうにピカチュウを見る子供達にびっくりしたのか、ピカチュウはサトシの肩へ登っていった。
何だかよく分からない事になってるなあ、と思っていると奥から園長先生がやってきた。
「今日は野生のポケモンではないようですね」
「そうなんです。道の途中でサトシくんたちと偶然出会って」
「皆さん、わざわざすみません」
「実はね…」
プルミエさんは毎日、森や草原に出かけて仲良くなったポケモンたちをこの幼稚園に連れていていたらしい。そして最後に「何も言わないでごめんね?」と付け足した。
「この子達にポケモンと触れ合ってもらうためだったの」
「なるほど!」
「そんな事なら最初から言ってくれれば!なあ、ピカチュウ?」
「なんだ、付き合うってそう言う意味だったんだ…」
『何もなくて良かったね、セレナ?』
「えっ、ああっ!なんでもないわ!うん!」
私がそっと声をかけるとセレナの肩がビクッと揺れた。ちょっとだけ意地悪したくなっただけだけど、なんだか申し訳なくて心の中でセレナに謝った。
「せっかくだから僕のポケモンたちとも遊んでもらいましょうかね」
「シトロン、ナイスアイデア!」
『そうだね、みんな出ておいで!』
「いっぱいいた方が楽しいもんな!」
みんな自分のボールを取り出して手持ちのポケモンを出していく。私も、ロゼリアを含むの3つのボールを手にとって投げた。
あと1つあるけど、この子はイタズラ大好きだから子供達にはまだ早いかな。そう思ったら、カタカタと残されたボールが揺れて勝手に飛び出してきた。
『ああっ!もう、ムウマったら…』
シシシッと笑うと私の被っていたベレー帽を取り、ふよふよと周りを回った。昔から何故か私のベレー帽が好きでよくこうやってイタズラされる。
『もう、ベレー帽は好きに使っていいから。なくさないようにね?あと、みんなと仲良くすること。びっくりさせて怪我とかしちゃ駄目だから驚かすのはほどほどに』
私がそう言うと頷いて、ムウマは近寄る子供にサイコキネシスを使って帽子を飛ばしたりしてパフォーマンスをしていた。ほんと調子がいいんだから。
私はムウマの事も気にかけつつ、グラエナにふるふるとしながら近づく女の子に話しかけた。
『大丈夫だよ。この子は大人しいから』
「…ぐ、グラエナ噛まないかな?」
『優しくすれば噛まないよ。ほら、撫でてみて?ふさふさだよ』
グラエナの強面な顔に少し怖気づいている子の手にそっと手を重ね一緒に撫でてあげる。
「わあ!すごい!ふさふさだあ〜!」
『でしょ?この子ね、喉元触ってあげると気持ちよさそうにするの。やってみて?』
女の子がグラエナの喉元を撫でると目を細めて気持ちよさそうにした。女の子はまたキラキラした目でこちらを見つめた。
こうして子供たちは私達のポケモンたちを囲んで触ったり、パフォーマンスを見たり楽しんでいた。ある、一人を除いては。