ホルビーのマッドショットが綺麗にエレザードに入ると、エレザードは目を回してその場に倒れた。

「エレザード戦闘不能だ!」
「お兄ちゃんの勝ちだ、よかった〜」
『よかったあ…』

途中、パラボラチャージでホルビーの影分身が消された時はヒヤヒヤした。シトロンが無事に勝てたので私達はほっと胸を撫で下ろした。
シトロンはエレザードに駆け寄り声をかけた後、自分がプログラムミスで迷惑をかけてしまったとシトロイドにも謝った。

「じゃあ、今から再プログラムさせてもらいますね」


*

私達はジムにあるシトロンの部屋、もとい発明スペースへ向かった。
昔、何度かお邪魔したことのある発明部屋とそっくりでシトロンが発明に使うであろう機械や工具がたくさん置いてあった。私にとっては、懐かしさも少し混じったこの部屋でシトロイドに再プログラムを施した。

再プログラムしたあと、またバトルフィールドに戻りシトロンのパートナーポケモンにも説明をした。

「僕、みんなに教わってばかりです。共に成長していきましょう。シトロイド」
「了解シマシタ」
「えへへへ、何だか照れくさいですね。すみません」
「いいじゃん、俺も一緒に成長するぜ!」

少し照れているシトロンにサトシが勢いよく肩組をした。

「あたしもー」
「ええ!」
『そうだね!』

ユリーカとセレナと目を合わせて私達も2人の輪に混ざった。今まで引っ越しばっかりで友達があまりいなかったから、少しだけむず痒かった。友達って仲間ってこんな感じなのかな。1日だけだけど皆と過ごせて、そう私は感じた。

「あのー、すみません。今からパパに報告しに行こうと思うのですが…」
「黙ったままじゃ駄目だもんね。お兄ちゃん」
『リモーネさんならきちんと言えば大丈夫だよ。ほら私達も一緒に行くし』
「いいんですか?」

私達は無事にジムを取り戻し、リモーネに一連の事を話に電気店へ向かった。


*


「ジムをロボットに乗っ取られたあ!?」

リモーネにシトロイドにジムを乗っ取られた事を話すと電気店が揺れるほど大きな声で驚いた。
そして腕を組んで困ったような顔をしたリモーネにシトロンとユリーカは弁明をしていく。その隣でシトロイドが申し訳なさそうにぺこりと頭を下げている。

「パパ!最後まで話を聞いて!」
「ついさっきまではそんな状態だったんですけど、もう大丈夫です!ジムリーダーの代わりもちゃんと任せられます!」
「大丈夫なんだな?…じゃあ、これからはもっと家にも顔を出せるのか?」

安心したように笑顔になったリモーネはそう言う。横にいたデンリュウも嬉しそうに鳴いた。
そのリモーネに対して、シトロンは何かを言いたげなようで、人差し指をくるくると回していた。

「実はその…」
「ん?どうした、まさか」
「あ、あの…。
パパ!僕、旅に出たいんです。僕、サトシたちと出会って凄く大きな勇気を貰いました。」
「…勇気」
「はい。これまでの僕だったら戸惑って踏み出せなかった事も勇気を出して踏み出すことができたんです!少しの間ですが一緒に旅して分かりました。」

サトシのリーグ戦が終わるまででもいいから、とシトロンは続けた。そして、ユリーカもシトロンについて行きたい、とリモーネに言う。

「パパ!お願い!」
「ユリーカちゃんの事なら私が!」
「お願いします!」
『リモーネさん、私からもお願いします!』
「僕ガ、ジムを守りマス。アト、家のお手伝いモ」

その場にいる皆がリモーネに懇願した。リモーネは下を向いてふるふると震えている。
もしかしたら怒っているのだろうか。シトロンとユリーカの旅も許してくれないかも、と最悪の想像をした。

「俺は…、俺はっ、モーレツに感動している!嬉しいぞ。シトロン、ユリーカ。
俺はずっと言ってきたよな。世界で1番大切なもの、それは友達だって。
お前らにサトシくん、セレナちゃん、ナマエちゃんのような素晴らしい友達がいるなら安心だ!よおし!行ってこい!」

シトロンとユリーカを抱きしめて旅に出ることを許してくれたリモーネ。親子の感動のハグを見て、私もパパの事を思い出した。今度、電話でもしようかな。

「サトシくん、セレナちゃん、ナマエちゃん、シトロンとユリーカのことよろしく頼むな!
よし、今日はシトロンとユリーカの旅立ちを祈ってパーティーだ!」


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