英志「そうだなぁ……ずっとここら辺で生活してたけど、万が一怪我した時とかの治療場とか確保できるようにそろそろ村でも探すかn……ん?」
ヒラヒラと空から紙が舞い落ちてきた。
英志「うぉっ……ととと……あちっ」
焚き火の上で紙をキャッチしたため、ちょっと手が熱かった。

英志「…………手紙だ。なになに……」
手紙を開いて内容を読む。先程焚き火で英志の手ごと炙られたためか、あぶり出しの文字も既に浮かび上がっていた。
英志「…………パーティの招待状、だってさ。ほい」
そうしてベルに招待状を渡す。

ベル「招待状!?わぁ〜すごい」
読み進めるとなんでこんな森の中にまで届いたのだろうと不思議に思う一方楽しみに思う気持ちが増えたのか笑顔になる

「でもなんだか普通のパーティーじゃなさそうだね」

英志「……どうする?行く?」
そっとベルの手から棒を回収して追加の肉を付けて渡し、自分ももぐもぐと自分の分の肉を貪りながら、そう質問を投げかける。
英志「行くかどうかはベルに任せるよ」

ベル「私は行きたいけど・・・・英志も来てくれるの?」
あんまり「パーティ」を楽しむような人に見えなかったからか少し意外そうに
でも嬉しそうに問いかける

英志「ベルが行くならもちろん行くよ。こう見えてそういうのは結構嫌いじゃないんだ。……それに、今後この世界で生活するなら色んな人に会ってても損は無いかな、と思って」
今言ってることも本心だが、炙り出し文の内容についても気になっているのだ。
英志「俺は下の文に書いてる通りパーティの最後まで残るつもりだけど、ベルはどうする?危ないかもしれないから、先にここに戻ってきててもいいけど」

ベル「危ないかもしれないなら私だけ先に帰るなんて嫌だよ。」
鋭い眼光が一瞬覗かせるがすぐに柔和なものへと変わる。
本気で心配しているのだ、とてもじゃないが英志に何かあったらベルの心が耐えられない

英志「……そっか。じゃあ、何か危ないことがあっても全力でベルを護るから、パーティ終わりまで一緒にいてくれる?……もちろん、俺が死なないのは前提でね」

ベル「勿論、お互い様だし・・・・なにかあったら、ね」
その先は言わなかった。恐らくお互いわかっていることだろう。
ゆっくり頷くとそれでもパーティーを楽しむ目的は忘れていないようで笑顔に戻った

ベルの笑顔を見て英志も笑顔を返し、頷いた。
英志「よし、じゃあ今日のとこはササッと寝て、明日の朝出発しよう。夜冷え込んでくるかもだし、毛布代わりに、はいこれ」
英志がベルに渡したのは、鹿を捌いた時に出た毛皮をしっかり臭いやぬめりをとって乾かしたものだった。
英志「んじゃ、俺はこの肉が腐らないようにちょっと処理してくるから、先に寝といて。おやすみ」

翌日の朝、英志とベルはパーティ会場となっている屋敷へと向かった。



柊斗「空から何か…手紙…?…テイルズ…ガーデン…?」

少し歩き、何気なく上を向くと、頭上から落ちてくるそれを手に取る、不審に思いながらも中身を取り出す、一通り読み終え、空白に若干違和感を覚えるが、宛がない分、パーティーに興味を持つ

柊斗「とにかく、行くあてもないし、行ってみるか…でも、この森の屋敷って…」

目の前の森を見て、ここか…?と足を踏み入れる

柊斗「屋敷…屋敷……どこ」

初めての場所だからか、森の中を迷子のようにうろうろする、途方に暮れ近くの大木に寄りかかり、再び手紙を手に取り不自然な空白を不思議そうに見つめる

柊斗「おあっと…こっち…?」

不自然に風が吹き、手紙が飛ばされる、それを拾い集めると、何故だろう、屋敷まで案内してくれるように心地よい風邪が吹く、それに従い進んでゆくと、そこには手紙に記してあったお屋敷、があった



刹『 なに? 』

(ふぅッと 何か成し遂げたとでも言いたげな表情で相手を見る. 彼女のやばい一面がまたひとつ垣間見えた瞬間だっただろうか.)

カイン「......いや、逆らうのはやめよっかなぁって。」
若干頬を引きつらせながら笑ってはふと降ってきた紙切れに気づいて。そのまま拾い上げては“パーティだってよ。行ってみないか?”なんて続ける。こういった類の行事は大好きなのだろう

刹『 ぱーてぃ? 』

(勿論彼女はそのような言葉は知らない.故に説明しろ と言いたげな眼差しを相手へ向ける.)

カイン「えーと、まぁ色んな人が集まってワイワイするところかな...?」
飯食ったり色々、なんて続けながらもかなり行きたそうに目を輝かせている。勿論彼は行きたいが、彼女が行かぬというのなら行かないつもりだ

刹『 へぇ…じゃあ 行ってみよかぁ? 』

(相手が説明をしている時の表情を見れば 断るにも断れない心情になった. ハナから断るつもりなどなかったのだけれど. )

カイン「...やっぱり刹も好きなんだね、宴だものね。」
彼女のいくという言葉に花が咲いたような笑みをこぼしながらも、ウンウンと頷いて上記を述べる。そこから足早に小屋に帰れば、支度を初めて

刹『 宴なぁ…そないにええもんなんやろか 』

(少し不安なのは恐らく未知の体験だからもあるが,こんな大掛かりな宣伝をするほどの人物がただ饗すだけなんて,そんな美味い話があるのだろうかというものだ. 然し今考えても仕方ないことだ, それに彼も思いのほか楽しそうにしている. そこに水を指すのは野暮というものだろう.そう自身に言い聞かせ小屋へと戻る.)

カイン「......?」
小屋に戻って準備を終えてもう一度その紙を見るが、首を傾げて。よくわからない空欄があるがこれはなんだろうと。しかしながら、そのまま考えるのをやめては出口で刹の事を待っており

刹『 ほな,行こか ? 』

(特に用意するものはない彼女は いつもの軽装で向かうらしい. 小屋の入口付近で待っている相手へと声を掛ける. )

カイン「あのでっかい酒の奴は持ってかないのか?」
と、彼女の姿を見ながらもふと気になった事を首を傾げながら問いかけてみる。初めて会った時のアレを言っているのだろうが今回は持っていかないのだろうかと

刹『 あれは酒が無いと消えるんよ, そのぱーてぃとやらで酒があるなら 多少持って帰りたいもんやけど…』

(あのでかい杯は武具ではなく,あくまで酒を飲むための物. 重さもなかなかあるためいつもいつも持ち歩いては勝手が悪いのだ. )

カイン「便利なもんもってんなぁ......多分向こうに酒はあると思うぞ??」
感心したように述べては、パーティには酒はつきものだと答える。しかしながら、あの器いっぱいには流石に持って帰れない上に自分は圧倒的に酒に弱いのだ。そう思いながらも玄関から足を踏み出しては

刹『 おぉ,それはよろしおすなぁ〜 』

(酒があると聞けば にッと微笑んでは嬉しそうに上記を述べる. そして相手の隣に付き 歩き出した.)

カイン「まぁ、こんな事するくらいの力があるなら楽しみにしても良さそうだな。」
そう言いながらもふと、彼女に招待状を見せてないのに気づいて。近くに落ちていたものを拾えば“読んでおけば??”なんて言いながら手渡そうとする

刹『 なんか楽しみやわぁ… 』

( 根拠は無いのだが 何か起こるような気がする. すると相手から招待状の紙切れを受け取り さらッと目を通す. 当然のようにやけに大きい空白部に目が留まる. なにか意味があるのだろうか. )

カイン「そこの空白...刹も気になるか??」
彼女の視線が止まった場所には例の空白。彼も不思議に思ったが彼女もそうらしい。しかしながら一体なんの意味があるかはカインには分からなかった

刹『 まぁ…なんかあるんやろうねぇ 』

(と 紙を頭上にあげ透かせてみたりしてみるが変化は無い. そもそも彼女がいた世界では炙り出しという技術があったのだろうか. )

カイン「えー??あると思うんだけどなぁ......」
何かあるはずなのだ。自身も紙を透かして見たりするが何も起きずムムムと一人唸っていては前の世界の友人に聞いた炙り出し、という技法を思い出して。そして片手にライターを持てばいきなり火を起こし始める

刹『 ・・・ 』

( 突然 相手が何やら火を起こすのに使うものを取り出したので 黙ってそれを見ている. )

カイン「浮き上がってこいっ...!」
何か願う様な声音で手紙を炙れば、少しずつ文字が浮かび上がってくる。それを見て興奮した様子で“見て見て!文字が出て来たよ!”と刹に近寄って文字を見せては

刹『 面白いねぇ…で,なんて書いてあるん? 』

(相手が何やら歓喜しているのを見ては微笑ましそうにしている. 勿論相手の手元は自身の身長では見えないため,読み上げてもらおうと促す.)

カイン「えーっとー...」
軽く要約しながら、中身を彼女に伝える。なかなか物騒な内容だけれど、刹がきっと守ってくれるなどと戯言を思っており。

刹『 これまた物騒な話やねぇ? 』

( 相手の口から聞く説明をある程度理解した様子. 然し怖がる様子も,怯む様子もなく,寧ろ楽しげな声音で相手と問い掛ける. 勿論 彼女は彼が行きたくないと言えばそれに従うし,空白部の内容を知ってもなお行きたいと望むなら,あらゆる手段をもって彼に仇なす輩を駆除するだろう.)

カイン「...まぁ...ねぇ。でも、ここで生きて行く限りこう言った話は聞いておいた方がいいと思うんだ。」
きっと彼女の闘争本能にでも火をつけてしまったのか、なんだか楽しそう。そう思いながらも上記を答える。彼女に守ってもらう、なんて思ってはいるがもし。もし本当に彼女の命を脅かす存在が来たのなら、自身を創り変えてでも守るつもりはある

刹『 それは建前…本音はどうなん? 』

( 勿論この世界で生きていくにあたって 此処の有力者と繋がりを持つのは良い事だろう. 人間同士なら尚更だ. 然しそれはあくまで建前であり,本音は ぱーてぃとやらを見てみたい,というのが強いのだ. 彼はどうか知らないが,彼女の中ではそれがパーティーに行く理由のひとつになっているらしい. )

カイン「美味い飯と可愛い女の子に会いたい」
本音と言われたので、素直にぶっちゃける。所詮は彼も19歳と言ったところ、欲望にそれはもう忠実であった。

刹『 素直でよろしおすなぁ… 』

( と初々しいというのか,青いというのか,何とも聞いていて気恥しい答えをする相手に朗らかな視線を送る. 別段怒っている様子は無い. )

カイン「まぁ...そんなもんだよ。気楽に楽しもうよ、気楽にさ。」
パーティもまだ始まっていないのに、気を張っても仕方ないだろう。なんて言ってるのだろうが、きっと実際張っているのは彼だけなんだろうが。肩をすくめながら上記を述べてはテクテクと歩き始める

刹『 せやなぁ 』

(と 相槌を打ちながら 此方も歩き始めた. )


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