ムショーノアイ、って、現存するのかな。
べたべたに私を甘やかす彼からあふれる愛は、彼に伝えきれないこのふわふわとした感情はそれ、なのかな。
「名前は本当にかわいいね、大好きだよ。」
名前、名前、って、本当にいとおしそうに呼んでくれるその声が好き。
おれ、耳がいいんだ、って前に言ってたけれどその吐きそうなほど甘ったるい音を発しているのは自分で把握しているのかな。
ただ、好きでいられることがうれしいって感じるような、そんな。
むしろ、好きでいさせてくれてありがとうとでも言いたくなるような、そんな。
「善逸、あのね、」
耳がいいのは知っている。
けれど、あえてこしょこしょと耳打ちをする。
サラサラの金髪が頬にかかって少しこそばゆい。形のいい耳は、きっと今までいろんなひどいことも聞いてきたのでしょう。
けれどね、あなたと私がいる世界はこんなにも美しいんだよ、って伝えたい。
そんなことを私にはうまく伝えられないから、ただ一言にすべてを込めるのだ。
「あのね、善逸を、せかいでいちばん、愛しているよ。」
自分にもこんなにきれいな感情あったんだ、ってちょっと驚いてる。
とっても嬉しそうにくしゃり笑う善逸を見て、ああ、また好きだなと思う。
ただ隣にいて、あなたに愛を伝えられるそれだけで本当に幸せだと本当に思うよ。
ねえ、善逸。これからも一生、好きでいさせてね。
心臓がとくとくと鳴る。この心音が何よりも愛の証拠だと思う。
胸に耳を寄せて、本当に本当にうれしそうに善逸が笑うから、思わずぎゅう、と抱きしめた。