隠密開始
ホテルの裏の崖の下まで来た
律曰く、このホテルは警備が厳しく、フロントを通らない場合の侵入はほぼほぼ不可能
しかし、この崖の面にある入口は、侵入の難しさから警備は配置されていない、と
「薬が欲しいが、要求はのめない、なら患者10人と応急処置に残した2人以外の全員で最上階まで奇襲して治療薬を奪い取るのです!!」
殺せんせーの言葉に烏間がストップをかける
余りにも危険だと
誰かが厳しいよね、と言った
これなら大人しく持っていった方が安全だ
それを決めるのは決行するもの次第
烏間は意を決して潮田、茅野、撫子の方を見た
3人に、行ってもらうしかない、と
でも言葉は出なかった
崖を登り始める生徒達
「崖登るだけなら楽なんだけどね」
「日々の訓練に比べたらね」
「でも、未知の場所で未知の敵と戦う訓練はしていないので、難しいけど指揮、お願いします烏間先生」
「こんな真似した奴らにきっちり落とし前つけてやる!」
崖の途中で、頼もしくこっちに向かっている生徒達
この生徒達はただの生徒ではない
貴方の目の前には16人の特殊部隊がいるのです
殺せんせーは烏間に伝える
「16人?」
「私を忘れないでくださいね!」
イリーナの問に律が答える
「さぁ、時間がないですよ?」
烏間は考えるように目を瞑り、しかしすぐに目を開いて生徒達に向き直る
「全員注目!我々の目的は山頂ホテル最上階!隠密潜入から奇襲への連続ミッションだ!ハンドサインや連携については訓練と同じものを使う、いつもと違うのはターゲットのみ!3分でマップを叩き込め!2150作戦開始!」
おう!という掛け声と共に皆勢いよく駆け上がった
ぴょんぴょんと身軽に登っていく岡野に皆関心をよせる
そして、次に視線が行くのは烏間、に背負われたイリーナと腕にぶら下がっている殺せんせー
教師で崖を登れる者が3人中1人とは
嘆かわしい
「つか、なんでビッチ先生はついてきたんだ?」
「ほら、お留守番とかそういうの嫌いな人だから」
「はっ、邪魔になんねーといいけどな」
「それはないよ」
寺坂の悪態に、撫子は視線を上に向けたまま応える
「あの人は、相当レベルの高い殺し屋だから」
「あ?」
そのまま撫子は黙々と崖を登り出す
もう、スイッチが入ってしまったか、と寺坂と吉田は溜息をついた
「つか、何かあったか城戸」
「え?」
「皆が倒れてから動揺してんのはわかっけど、それにしては思いつめてんじゃん」
寺坂と吉田にはさまれて登っている今、この話題から逃れる2は早く登らないといけないが体力的に難しい
観念したように撫子は答えた
最初、島についた時の違和感を
先ほど思ったことをすべて伝えると、寺坂と吉田は撫子の背中をバン!と叩いた
「痛い!」
「んなこと気にすんな!」
「つか、特に大事にはならないと思ったから何も言わなかったんだろ?お前の直感結構当たるからそれ聞いただけでも安心したわ!!」
「寺坂ー、吉田ー、お前んとこの末っ子甘やかしてないでさっさと登らせろよー」
「末っ子!?」
既に頂上についた赤羽のちゃちゃ入れに少し向きになった撫子
自分のできる範囲だが、少しだけ登るスピードを上げる
頂上まであと少しだ
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