三人目の刺客

映画や舞台が観れるようなホールについた

舞台上から足音が聞こえ、そのまま客席の背もたれを盾にするようにバラバラに隠れる

多分アイツが、最後の暗殺者


「15、いや16人か?呼吸が若い、まだ10代半ば・・・驚いた、動ける全員できたのか?」


姿は隠して見えていないはずだし何よりホールは真っ暗だ

そんな状態で一瞬で把握された

つまらなそうにため息をついた隙をみて速水が射撃した

男が持っていた銃を狙ったようだが外れてしまった

子供が銃を所持していることに驚いたようだがスグに楽しそうに笑った

ステージの明かりをリモコンでつけ、こちら側から逆光で見えづらくさせる

眩しくてほんの少し狼狽えているところで、男は速水のいる椅子の横の隙間に撃ち込んだ

銃弾ははずれたものの、確実に速水を捉えていた

そして男は嬉嬉として話し始める

自分は軍人上がりの殺し屋だと言った

銃を口に食み、その味でその日の一番の銃を決める

かなり変態じみたような男だが腕は確かだろう

こんな男に勝てるのだろうか

撫子は息を呑む


「速水さんはそのまま待機、今撃たなかったのは懸命な判断です千葉くん」


殺せんせーは千葉がまだ敵に位置を知られていないことから待機させ、ここだというところで撃つよう指示をした

そのまま殺せんせーが敵を見ながら指示をするとのことだが、男からしたら標的が何処にいるのか、どうやってみているのか気になるだろう

どこだ、と探すと殺せんせーがいたのは・・・


「テメェ!!どこから見てんだ!!」


客席一番前の真ん中

一番いい席だ

一流の銃手に中学生が挑むのだからこのくらいの視覚ハンデは大目に見ろとのこと

男が舌打ちをするが殺せんせーはお構い無しだ

木村に現在いる所から5列左に走るよう指示をした

寺坂、吉田がそれぞれ左右に走り、隙がてきたので茅野が2列前に

赤羽と不破が右へ走り撫子と磯貝が左に走る

場所をシャッフルしているのだ

だが指示をすることにより男に名前と場所を教えるようなものだ

男にとっては都合がいい、と思った矢先だ


「出席番号13番!右で準備しつつ2番と4番は椅子の間からターゲットを撮影!律さんを通して舞台上の状況を千葉くんに伝達!」


出席番号など、男にはわからない

それだけではなく各生徒の特徴や好みなどを使ってシャッフルを続ける


「最近竹林くんとメイド喫茶にいってちょっとハマりそうになって怖くなった人!撹乱のため大きな音をたててください!!」

「テメェ!!それをどこで知ったんだよ!!」


竹林くんと以下略の寺坂がブチギレながら大きな音をたてはじめる

もう、男は誰が何処にいるのかわからないだろう

殺せんせーも次の指示で千葉に狙撃するよう指示をする

速水も状況に応じて千葉のフォローを

でも、最後の指示をする前に普段表情をあまり表に出さない2人に殺せんせーからアドバイスがでた

今日、殺せんせーの狙撃を失敗したことへの腕への不安を抱えている2人

弱音も言い訳もしない2人には、「アイツらなら大丈夫」という勝手な信頼を押し付けられたであろう

苦労をしていても誰にも気づかれなかっただろう、と

でも大丈夫だと

1人でプレッシャーを抱える必要はない

仮に2人とも外したら銃も人もシャッフルして誰が撃つかわからない戦術に変えると

皆同じ経験と失敗をしてきたなった仲間が隣にいると

だから安心して引き金を引いてほしい、と

男は殺せんせーの話をしている間、大方の目星をつけた

出席番号13番が動いていないことに警戒をする


「出席番号13番!立って狙撃!!」


殺せんせーが指示をしたと同時に13番が立ち上がり、そして・・・

ばんっ

頭を撃ち抜かれる


「なっ!」


出席番号13番・・・菅谷の作った人形の頭が撃ち抜かれた

千葉は菅谷とは逆の方向から銃を構え撃つがそれは大きく外れる

男は千葉がプレッシャーに負けたのだと思い銃口を向けた

勝利を確信している相手には隙が生じやすい

千葉が狙った場所にはちゃんと命中していたのだ

釣り照明の金具に見事当て、照明を男にぶつける

ダイレクトにあたり、よろめいた男

速水はそれを見逃さず男の銃を弾き飛ばすように銃を撃った


「くそ、がぁ」


倒れ混んだ男

やったぜ、舞台上に上がり男を取り囲む


「はい、寺坂くん」

「お前の鞄はドラえもんかよ」


撫子のウエストポーチからガムテープを取り出すと寺坂にわたし、拘束させる

これで多分、敵はラスボスだけ


「よし、行くぞ!皆!」

「おう!!」


もう少し

あともう少しで皆を助けられる

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