屈辱
屋上につくと、鷹岡は一つ高い場所に設置されているヘリポートに潮田と撫子を呼んだ
あの日、鷹岡を仕留めた潮田への復讐が理由だろう
だが、そしたら茅野や撫子を呼んだ理由がわからない
どうするつもりだったのか
それを聞いたら返答は恐ろしいものだった
もう身長の低い女生徒、茅野にはその怪物、殺せんせーを抱えて対BB弾のプールに入ってコンクリート詰め
そして女の護衛、撫子には自分に1度たりとも服従せず、己の教育の邪魔をしたことによる制裁
父親だと認めるまで暴力を振るうようだった
ゾッとした
2人とも最悪死んでしまうだろう
下の3人の殺し屋は戻ってはこないだろうから潮田が潰れたら次は撫子だ、と歪んだ笑みを見せる
自分も危険だが今一番に危険なのは潮田だ
話を聞く限り最初にいたぶる予定なのは潮田だ
とにかく話をして落ち着いて貰おうと声を出すが爆発音で掻き消された
屋上とヘリポートを繋ぐ階段が爆発させられたのだ
ヘリポートへはそこそこの高さがあり、登るのは時間がかかる
そして、登る事をしたら容赦なくケースを爆発させる、と言う
登ることができなくなった
ニヤニヤとケースをチラつかせて鷹岡は潮田からの謝罪を要求する
子供の癖に大人に逆らって本当に申し訳ございませんでした、と
撫子にも潮田が終わったら同じことをさせるつもりなのか「父親に逆らって本当に申し訳ございません」と練習するように言ってきた
何が父親だ
撫子はぐっ、と堪えて鷹岡と潮田を見据える
潮田が頭を下げる
それでは謝罪の意志が足りないと言う
潮田は膝をつき、額をコンクリートにつけた
納得したようにうなづくと次はお前だと言わんばかりに撫子を見る
撫子は潮田の隣に膝をつくと同じように額をつけた
言葉は出てこない
「どうした?んん?」
「っ・・・」
言葉を出さなければいけない
出さなければ、皆が危険な目に合うのだ
でも、もしだ
もしこの一言で・・・
「っ、私、はっ」
ぐっ、と手に力が入る
「あ、なた、に」
視界がぼやけてきた
「さか、ら、て」
謝るだけ、謝るだけなのだ
「も、しわけ」
「だーれーにー、だぁ!?」
父、ではなく貴方と言ったことに不服なのだろう
でも、父以外の者を、自分の意思でなくとも父と言ってしまったら
「ち、ちに、ちちお、や、に」
あの人は
「さからっ、て、しまい」
私から
「も、しわけ、ご、ざっ」
離れていってしまわないだろうか・・・
ぼろぼろと撫子の瞳から雫が落ちていく
撫子とって、これはもう、拷問だ
己を痛めつけられる方が何万倍もマシなのだ
「城戸さん・・・」
潮田が心配そうに声を掛けてきた
そんな潮田をみて、また鷹岡は不満な表情をみせる
「撫子のその反省した顔を見れて父ちゃんは嬉しいよ、だがなぁ」
渚、お前は反省が足りないようだな、と笑った
「!!」
「やめっ」
ケースを高く投げ、そして、スイッチを押した
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