SS部屋


リハビリも兼ねて気まぐれに更新します。800字/ジャンル雑多。
タイトルは診断メーカー『お題ひねりだしてみた。』様より。

2023/05/02(Tue)

 私と清光の付き合いは長い。どれくらい長いかと言うと私が赤ちゃんの時からの付き合いだ。元々この本丸の審神者だったおばあちゃんがよく私を連れてきてくれて遊び相手になってくれたのが清光だった。今になって考えてみれば私を審神者にしたかったおばあちゃんの思惑だったのだろう。審神者の適性試験を突破した私がおばあちゃんの本丸を引き継ぐのは自然な流れだった。私としても新しい初期刀を迎えて一から本丸を作り上げるより仲の良かった清光やみんなと一緒に頑張る方がずっと良いと思った。
「主ー俺出陣してくるから」
「えっ、もうそんな時間!?」
 山積みになった書類と睨めっこしていたら襖が開いて清光がひょっこりと顔を出した。何枚か書類を机から落っことして私は慌てて清光に駆け寄る。
 本丸の歴史が長いとはいえ審神者になってからはまだまだ日の浅い私。そのせいもあり時の政府からおりてくる任務もまだ難易度の低いものばかりで、清光は一人で出陣することを買って出た。「主は早く本丸のこと覚えてよね」なんて笑って。審神者の仕事はともかく本丸のみんなの名前なんてずっと昔から知ってるのに。
 乱れた髪を手短に整えて私は小指を差し出す。それは幼い頃からやっている習慣みたいなものだった。
「いってらっしゃい、清光」
 昔、清光が出陣先から傷だらけで帰ってきたことがある。当時の私にはそれがあまりにも衝撃的でおばあちゃんに泣きついた。清光が死んじゃうと思ったから。そしたらおばあちゃんに言われたのだ。
「それなら今度から清光と約束したらどうかしら?」
 怪我しないで帰ってきてね。
 約束すればきっと清光は元気に帰ってきてくれる。単純だった私は清光が出陣するたびに指切りをするようになった。そうすると不思議と清光が怪我する機会が減ったような気がしたから。本当に、小さなおまじないのようなものだ。
 清光は少し呆れたような、それでも嬉しそうな顔で小指を絡めた。
「任せてよ、主」
絡んだ小指だけが、証拠 tkrb/加州清光
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