スズ達の試合が無事に終了したのと時を同じくして、2人の高校生が彼女達のいる試合会場へと向かっていた。

彼らの移動手段は、どこかで見たことのある自転車とリアカーがくっついた不思議な乗り物で…


「ったく。今日も見たいとか…オマエ同中のアイツにどんだけ注目してんだよ!?」

「違うのだよ。ただ、外国人留学生というのがどんなものか興味があっただけだ。」

「留学生〜!?興味あんのは誠凛アイツらの方じゃねーの?

 てかオレも誠凛アイツらにちょっと興味出てきたわ。上がってこいよ〜」

「言ってるイミが分からないのだよ?的外れな憶測はやめてくれ。」

「あ〜へいへい。」


そう緩く返事をしてから再び自転車を漕ぎ始めるのは、秀徳高校1年の高尾和成なる人物。

リヤカー部分に乗る緑間真太郎の友人兼運転手である。

そんな彼が、ふと思い出したようにまた友人に話しかける。

話題の中心は、どうやらスズのことのようだ…


「あ、そだ。この前、誠凛アイツらの練習試合見に行ったときに会った女の子いたじゃん?」

「女の子?…あぁ、誠凛のマネージャーか。彼女がどうかしたのか?」

「クラスの噂好きな奴から聞いたんだけどさ…どーもあの子、ちょっと変わった能力があるらしーぜ。」

「"変わった能力"?」

「そ。まぁオレも詳しいことは知らないんだけど、何か不思議な声の持ち主なんだと。」

「…ふん。そんなのはただの噂なのだよ。実際に声を聞いたが、オレは何も感じなかった。」

「そっか〜…でもまっ!一度会って話してみる価値はあるっしょ!」


興味のなさそうな緑間の態度を気にすることなく、高尾はそう言って楽しそうに笑った。


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自分のことを話題にされているとは知らず、帰りの支度をしているスズ。

その顔は勝利の余韻でニコニコと輝いていた。

心なしか、いつもより後片付けの手際も良いようで…!

そんな彼女の様子を、黒子と火神も嬉しそうに見つめるのだった。



誠凛高校

IH都予選 初戦突破!!



to be continued...



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