スズ達の試合が無事に終了したのと時を同じくして、2人の高校生が彼女達のいる試合会場へと向かっていた。
彼らの移動手段は、どこかで見たことのある自転車とリアカーがくっついた不思議な乗り物で…
「ったく。今日も見たいとか…オマエ同中のアイツにどんだけ注目してんだよ!?」
「違うのだよ。ただ、外国人留学生というのがどんなものか興味があっただけだ。」
「留学生〜!?興味あんのは誠凛の方じゃねーの?
てかオレも誠凛にちょっと興味出てきたわ。上がってこいよ〜」
「言ってるイミが分からないのだよ?的外れな憶測はやめてくれ。」
「あ〜へいへい。」
そう緩く返事をしてから再び自転車を漕ぎ始めるのは、秀徳高校1年の高尾和成なる人物。
リヤカー部分に乗る緑間真太郎の友人兼運転手である。
そんな彼が、ふと思い出したようにまた友人に話しかける。
話題の中心は、どうやらスズのことのようだ…
「あ、そだ。この前、誠凛の練習試合見に行ったときに会った女の子いたじゃん?」
「女の子?…あぁ、誠凛のマネージャーか。彼女がどうかしたのか?」
「クラスの噂好きな奴から聞いたんだけどさ…どーもあの子、ちょっと変わった能力があるらしーぜ。」
「"変わった能力"?」
「そ。まぁオレも詳しいことは知らないんだけど、何か不思議な声の持ち主なんだと。」
「…ふん。そんなのはただの噂なのだよ。実際に声を聞いたが、オレは何も感じなかった。」
「そっか〜…でもまっ!一度会って話してみる価値はあるっしょ!」
興味のなさそうな緑間の態度を気にすることなく、高尾はそう言って楽しそうに笑った。
------
----
--
自分のことを話題にされているとは知らず、帰りの支度をしているスズ。
その顔は勝利の余韻でニコニコと輝いていた。
心なしか、いつもより後片付けの手際も良いようで…!
そんな彼女の様子を、黒子と火神も嬉しそうに見つめるのだった。
誠凛高校
IH都予選 初戦突破!!
to be continued...
- 50 -
*前次#
ページ:
第1章 目次へ
第2章 目次へ
章選択画面へ
home