「っと、死ね」
一気に襲って来たマネルの、最後の一匹を倒し終えた。ほんの少しの疲労を回復するためにマネルの死体の上に座り込む。だいぶ鉄パイプも変形してしまった。
まだ慣れない魔力操作をどうにかして鉄パイプを修復する。もう十分に使えるだけの魔力が自分の中にあるのは知っていたが、ちゃんとした使い方を身につけているわけではないのでやっぱり尻込みしてしまう。
レイは俺とは違って、ほとんど動かずに敵を倒す。不思議な詠唱とともに周りの土が動き出すのははっきり言って、すごいと思う。俺にはできないことだ。あれでも本人は自分がまだまだだと思っているらしいが。
属性が違うせいで素直に習いに行くわけにもいかない。せっかく潜在的な魔力が解放されて来たのに、俺はずっと持て余していた。
「うおっ、なんだこれ」
鉄パイプはあらかた元どおりに戻る。金属硬化も同時に施したから、次変形するまでだいぶ時間がいるだろう。目の前には気づけば十体以上のマネルたちが一様に俺を見つめてそこにいた。何をするでもなく。
「しょうがねぇな、相手してやる……よ」
言いながら立ち上がった、その瞬間信じられない光景を見た。増えている。どこから出てくるのか、マネルの数が徐々に増えていた。俺から見えていたのはほんの少しで、俺が魔法にかまけている間着々とその個体数を増やしていた。
途中から数えるのをやめた。どうでもいい、ここにいる奴ら全員ぶっ殺してやる。俺の顔で、俺の目でこちらを見つめ続ける正面のマネルの顔に鉄パイプを叩き込んだ。
俺の顔がぐちゃぐちゃになるのを見届けることなく、その個体を足場にして次の個体の脳天に鉄パイプを突き刺した。硬度と腕力でぐにゃりと頭蓋骨にのめり込んだそれは、うまいことはまってしまったのかすぐ抜けなくなってしまう。知るか。そのまま刺さっている俺の体ごと持ち上げた。できるだけ顔は見ない。両手で突き刺さった鉄パイプをもち、遠心力で振り回す。周囲に集まっていたマネルを根こそぎなぎ倒した。刺さっていた俺の姿はやがて息絶えたのか猿の姿に戻っていた。鉄パイプを抜き、一箇所に集まった五体ほどの俺めがけて走る。直前で跳んだ。重力と重さを利用して真上から鉄パイプを思い切り突き刺した。骨の砕ける音が耳に響いて数人を貫通した。
まだ息の残っている奴らも顔に鉄パイプを叩きつけた。マネルの姿に戻るのすら待たずに次の個体に目をつけた。相変わらず正面から走り込み、腹に一発鉄パイプを食い込ませる。メキメキ、という音のあと吹っ飛びかけた俺の頭を左手で鷲掴みにして地面に叩きつけた。
「次」
短く呟いて視線を動かす。同時に腕が動いた。鉄パイプは生ぬるいマネルの体を貫通して口から血を吐かせる。一気に引き抜き、元の姿に戻る前にそれを足場にする。後ろにいた二体めがけて鉄パイプを振り下ろそうと、跳ぶ直前。思ったよりも早く俺の姿はマネルの元の姿に戻ってしまった。足場が消え、体が浮く。あ、落ちる。とっさに受け身を取ろうにも、次の動作に向けて体を動かしていたせいですぐには動かない。クソ! 次に来る衝撃を覚悟する。
「
聞き慣れた詠唱とともに、俺の体は柔らかい土に包み込まれた。