「小さかったユウリもホップも、ついに今日ダンデからポケモンを貰うようです。時が経つのも早いですね……。少し物寂しい気がします……、お母さんたちも風邪をひいたりしない程度に楽しんでくださいね、と。こんなものかな」
ペンを置き、手紙に封をする。現在、ななしの両親はななしがそれなりに大きくなったこともあり、前々から夢だったという世界一周旅行を行っていた。セルフで。
いつ帰ってくるのも定かでは無いが、定期的に電話をするし(料金がかかるのであまりしないが)絵葉書やお土産だって送ってくれるので、元気でいるなら問題ない。
現在アローラ地方にいるようで、送られてきたニャースの写真をみてななしは驚いた。
色もフォルムも違う、小判はついてるけど。進化したらニャイキングにならないし、タイプははがねじゃない。他の地方のニャースもまた少し見た目が違うようだ。テレビ等で見たことはあるが、いざ本当なのだと知ると、衝撃が凄かった。
来客を告げるチャイムがなり、ロズレイドが訪問者2人を連れて入ってきた。
「いらっしゃい、ユウリ、ホップ!」
「お邪魔するんだぞ!」
「こんにちは、ななしさん!」
訪問者は先程手紙に書いた人物であるユウリとホップ。ホップの後ろから、ウールーがぴょこりと顔を見せていた。
自分の弟や妹のような子たちに、何かしてやりたいと思ったななしはダンデに相談し、キズぐすりやピッピ人形、キャンプでも手軽に食べれるレシピなど、初心者トレーナーに役立つものをあげようと準備していた。ダンデがポケモンを渡すのと一緒に渡そうと計画していたら、2人からダンデをブラッシータウンの駅まで迎えに行くから一緒にどうかと言われ、是非と答えた。
最近何かとダンデが忙しいようで連絡が取りにくく、何時にポケモンを渡すのか聞けずに困っていたので助かった。
まだダンデを迎えに行くには早いが、とりあえず3人で集まっておこうというわけでななしの家が集合場所になったのだ。
ロズレイドが、ホップとユウリのために作っているエネココアの香りに2人が嬉しそうに笑っていた。ロズレイドが淹れるものはとっても美味しい。
「2人ともわくわくしてるね、ポケモン楽しみ?」
「ああ、アニキ、どんなポケモンをくれるか楽しみだ!」
「あたしも楽しみ!ゴンベもスボミーも家に居るけど……ホップのウールーみたいにあたしの仲間ができるって、凄く嬉しい!」
まだ見ぬ自身の新たなパートナーに期待で胸を膨らませる2人をみて、思わず笑みが零れた。
ななしも最初からスボミーがいたが、旅立ちの際にマグノリア博士からポケモンを一体貰った。
その時の興奮は忘れることが出来ない、とても大切な思い出。どうか彼らにとって素敵な出会いになりますように。
両親からのアローラニャースの写真に会話が盛り上がって、ダンデを迎えに行くのに遅れかけたのは内緒のことである。
ブラッシータウンへと続く道を真っ直ぐ歩く。
一本道であるから迷うところなど無いのだが、ここで迷う可能性を持つ男がチャンピオン ダンデ。
ジムチャレンジ中も大変だったとはソニア談。
ぴゃーっと走っていくホップを追いかけ、ユウリも走っていく。転ばないようにね!と声をかけながら、荷物を持ってロズレイドとのんびり歩く。近いからそこまで急ぐ必要も無い。
なんて考えていたら、先ほどよりも早いスピードで横をダンデとホップが駆けて行った。
「えっ、はっや!?」
ユウリにはななしさんが遅すぎなの!と怒られた。
ユウリとともにホップ·ダンデ宅へと向かえば、ポケモンを渡すために二人が待ち構えていた。
ユウリが2人の元へ駆け寄り、ダンデがポケモンのアピールタイムだと三体のポケモンを登場させた。どの子を選ぼうか決めかねているようで、わちゃわちゃと皆で騒いでいた。ななしは一体をぽん、と渡されたので三体から選べるのかと思うとすこし羨ましいようなそうでないような。
抗議するように腰に取り付けたモンスターボールの一つがガタガタと音を立てる。ごめんて。