001とオブリビアからの訪問

「おーい!」

「あ、ナツヤ!ブッカーさん!」

キルクスタウンのポケモンセンター前で2人と落ち合う。ナツヤは私の従兄弟。あのパートナーがウクレレピチューのね。今もナツヤの肩にぴょこりと乗っかっている。
ポケモンレンジャーであったナツヤはオブリビア地方でのある事件を解決したのち、オブリビア地方のエリアレンジャーとして現在活動中。
今回は、ちょっとぐらい休みな!と言われたためにブッカーさんと付き添いで来たのだと言う。
社畜か??ポケモンレンジャーめっちゃかっこいいと思うけど体には気をつけて欲しいよね本当。

「ではキミのピカチュウのウクレレをみたいんじゃが、ホテルまで来てもらって大丈夫かの?」

「全然!大丈夫です!!」

お礼として用意してきた菓子折りを渡しておく。
ウクレレが無事直り、ピカチュウが元気になるならなんだってしますとも!


ホテル イオニアって豪華じゃない……?いや、ほかのホテルで寝泊まりする機会が全く無いから比べようが無いんだけども。すぐタクシーで帰れるし、空いてればだけど安い価格でポケモンセンターにだって泊まれちゃうからね……。お家から出るのは仕事かダンデくん関連のイベントぐらいだからね……。
しょんぼりしたままのピカチュウと丁寧に包んだウクレレを抱え、ブッカーさんたちの後を行く。

「ふむ……これぐらいだと少し時間はかかるが、直るぞ。工具を持ってきてよかったわい」

「ほ、本当ですか、やった、やったねピカチュウ!」

「ピカァ、ピッカチュ〜!」

ピカチュウを抱き上げぐるぐる回ってはしゃぐ。なおるって!やったねピカチュウ〜!!

落ち着け、とナツヤに頭をぽかっと叩かれ、姿勢を正す。
「あの、ブッカーさん。本当にありがとうございます。お礼してもし足りないです、あのウクレレは私たちの思い出のものなので、本当にありがとうございます!」

「いやいや、逆にそこまで大切にしていてもらって嬉しい限りじゃ。船作りの職人をしているのにウクレレを頼まれたときは驚いたが、そんなに大事にしているとは。作った甲斐があったというもんじゃ」

ピチューが洩らしてしまう電撃に耐えれるウクレレを見たから、即座にブッカーさんに手紙を出してしまったんだよね……。本当はブッカーさん船作りの職人さんなのに。

明日の昼ぐらいには直ってるから取りに来い、と言われとりあえず2人と別れ、ピカチュウとキルクスタウンを歩く。

「ね、ピカチュウ」

「ピ?」

「もしかして、私を置いて、ワイルドエリアへ追いかけていってしまったの後悔してる?」

「……ピカ」

直ると言われ、喜びながらもどこか暗い顔をしたピカチュウを抱き上げる。

「ピカチュウ、私は今生きてるでしょ。こうしてあなたを抱き上げているし、推しに興奮するし泣くし笑うし。私が死んでしまっていたかも、って後悔してしまうのも分かる。私も後悔した」

ピカチュウが躊躇無くワイルドエリアに飛び込んでいって。私は怖くて、足が止まって。
あの時ちょっと待って!ってピカチュウを止めていないせいでピカチュウが死んでしまったらどうしようと思ったの。

「でも、たらればの話をずっと悔やんでてもしょうが無いでしょ。とりあえず私たち生きてるしウクレレ直るし、終わりよければ全て良しってやつよきっと。あとね、」

「チュア……」

「ピカチュウもあのウクレレが大事だったんだなって知れて嬉しかったよ!私たちが仲良くなるきっかけ、ピカチュウも覚えてくれてたんだねって、嬉しかったよぉ……」

ピカチュウが当たり前だろ、と言うように頭を私の胸にぐりぐりした。
不謹慎だけど、私のことを思ってくれたピカチュウ、それがすごく嬉しかったんだ。


(「でもワイルドエリアマジで怖すぎたから次ーーはあったら嫌だけど、本当に気を付けようねピカチュウ!」

「ピッカ!」

「あとね、なんと!キルクスタウンでポケモンと入れる露天風呂付き宿がとれました!!」

「ピ!?」

「ダンデくんもポケモンたちとよく来るってインタビューで言ってたところ!聖地巡礼だよ〜!」

「ピッカチュ〜!!」 )