愛故に U
一人用のソファに座り、残りのレモネードを飲んだ。左右の肘置きに腕を乗せた侭飲む俺の姿に、シャギィは前に座った。
「嗚呼、格好良いね。」
からからと暢気に笑い、組んだ足を揺らした。顔すれすれに揺れるを足をシャギィは眺め、キースは一人不機嫌な顔を晒して居た。
「其の軍服は捨てる事にする。」
「代わりに俺のあげ様か。」
「結構だ、マーシャル ベイリー。」
荒くチェストにコップを置く不機嫌なキースとは反対に、シャギィの顔は少し嬉しそうだった。口元を緩ませ、胸に付く元帥章を撫でて居た。
「触るな。」
「御免、でも。」
凄く嬉しい、とシャギィは笑顔を向けた。
「海軍、元帥だ。」
「御似合いですよ、アドミラル クルス。」
「俺は不愉快だ。」
嫌味の如く高い鼻を鳴らし、そっぽ向いた。
「シャギィ。」
「はい?」
笑顔を見せる口元に靴先を向け、一度足首を動かした。
「キスして。」
「Aye-aye Sir.....」
溜息混じりにシャギィは答え、靴先にキスをする姿に口角を上げた。
「シャギィって、マゾなの。」
「うん。すっごいマゾ。」
靴にキスをした侭素直に頷くシャギィに、声を出し笑った。
「海軍元帥って、マゾがなる決まりでもあるのかい?」
云って、考えた。在の陛下に従順で居るには、矢張り其の気性で無ければ為らないだろう。陛下はそう、女王様なのだから。
「シャギィはマゾか。困ったな。俺もだよ。サドはキースだけだね。」
靴を唾液で濡らして居たシャギィはふっと顔を離し、キースを見上げ頷いて居た。
「在れはサドだ。」
「在の時と同じにしてやろうか。」
キースは浮気する時、男役になる。だから必然的にシャギィは女役。二人がどんなセックスをしたかは判らないが、凄そうだ。
「勘弁してよ…」
「見せて、と云いたい所だけど、シャギィ。集中して。」
足を揺らし、靴への接吻を続けさせた。暫くシャギィは其の行為を続け、溶けた氷で味の無くなったレモネードを飲んだ。
第一、此の二人のセックスを見て、俺は如何したら良いんだ。其れを眺め乍ら、オナニーでもすれば良いのか。
考えただけで虚しくなり、又興が削げ、靴底をシャギィの顔に当てた。
押し退けられたシャギィは、本物だ、少し笑って居た。
「俺、此れだけでイきそう…」
憧れの海軍元帥、憧れのヘンリー。
其の二つが一気に手に入ったシャギィは、恍惚として居た。
「冗談じゃないっ、其れを着てイってみろ?」
俺の横に立って居たキースは動き、笑うシャギィの頬を叩いた。
「生きて朝日を拝めると思うなよ。」
獣の唸り声に似た声。俺が痺れるのだから、真性のシャギィには堪らないのだろう。一度身震いを起こした。
「キース、叩いたら駄目だよ。男前何だから。」
止めては見たが、俺は笑って居た。キースの顔が、本当に楽しそうに笑って居たから。
「御優しい主人で良かったなあ、シャギィ…」
甘く囁き、シャギィの頭を撫でた。
「でも御前には、酷いサド主人に映るなあ?」
だって御前は、叩かれ苛まれる事に快楽を見出す変態何だから………。
舌舐めずりをし、キースの見せたサディスティックに俺は息を吸った。
痛みで息が止まる程シャギィは髪を引かれ、天井に向いた顔を思い切り叩かれた。強烈な其の音に、俺は少し肩を竦める程だった。
「如何してやろうか。」
喉の奥で笑い、俺と同じ様に頬を、いや同じ場所を舐めた。
キースは、相当機嫌が悪い。
軍服は着られて居るわ、愛しい愛しい俺は違う男にキスをするわ、良い事無しだ。
其れでも俺は、笑って居た。
キースが傷付くのは、俺には楽しい事。
でも一つ、問題が発生した。
此の侭キースがシャギィを虐めて居れば、仕置きに為らないのだ。悦ばせても意味は無い。
「キース。」
楽しそうなライオンの血走る目を見た。
「キスして。」
シャギィを虐めて居た事で興奮したのか、シャギィを床に放り投げると口に噛み付いて来た。
「キース…、一寸…」
何度もしつこく恐縮だが、俺は男役だ。
「止めて…。そんなキスしないでくれ…」
「おいで、ヘンリー。」
其の侭ソファから抱き上げられ、俺も困った奴だ、甘く強い其のバリトンには逆らえない。
キースの腰に足を絡ませ、強くキスをした。
「愛してる、ハニー。」
「見せ付けるんだろう?」
「ん…、ハニー。愛してる…」
一言云う度にキスを交わし、俺を膝に乗せた侭ベッドに座った。
俺のシャツを捲り、キスをした侭キースはシャギィを手招いた。触れてはいけないと云う決まり通り、触れない様に両手を上げ、俺の首にキスをした。二つの唇を知った俺は思わず笑い、キースから口を離すとシャギィに向いた。キスし易い様に反った顎を掴もうとシャギィはしたが、キースに手を叩かれた。其の侭俺はベッドから足を離し、一度完全にキースから離れると再度キースに腰掛けた。身体でキースの指先を、口でシャギィの味を感じた。きちんとタイを締める喉元に噛み付き、ジャケットの釦を外した。シャツを捲り、其の隙間から腹部にキスをした時、思い切り背中を舐め上げられた。
「キース、擽ったいよ。」
「俺を忘れてるだろう。」
「ハニー、忘れる訳無いだろう。」
「如何だかね。」
首に噛み付かれた俺は如何する事も出来ず、シャギィから顔を離しキースにキスをした。数回床を鳴らし、素直に座ったシャギィの頭を撫で、其の侭頬に流し顎を引いた。
「咥えて。」
「シャギィは、凄いぞ。」
キースは笑い、俺のズボンのファスナーを下ろした。
「キースが云うんだ、間違い無いね。」
「ヘンリーのテクニックを知る俺が云うんだ、間違い無い。」
変なプレッシャーを与え、両手を上げ乍らシャギィは顔を寄せた。
云っては在れだが、キースはブロージョブが下手くそ。此処迄下手くそな奴もそう居ないのでは無いかと思う程で、余りの下手さに呆れる事もある。そんなキースの其れしか知らない最近の俺は、一瞬身体が痙攣した。
何故そんなに熱いのか、俺の其処は火を付けられた気分になった。肉厚な此れ又熱い舌が其の熱い中で一周し、筋にびったりとくっ付いた侭一気に吸われた。
「此れ…強烈…。最高…」
キースにしがみ付き、キースは其の顔を見て居た。
キースにして見れば複雑であろう。凄い、とは云ったもの、俺がブロージョブ一つで此処迄喘ぐのを見た事が無い事が無い為、矢張り恋人としては余り良い気分はしない。
久方振りの強烈な快感に、俺は喘ぐ事しか出来ず居た。同時に、こんなテクニックを知って居るのなら、俺の為に何故マスターし様と思わないのか、キースの学習能力の無さに呆れた。
唯の椅子と化したキースは小さく溜息を吐き、然し俺には其れさえ聞こえていなかった。
「気持良い…?ヘンリー。」
「最高…もう凄く良い…。イきそう…」
「こうして欲しいとか、好きに云って。俺の口は変形自在だから。」
えづくと云うのを知らないのか、俺の物を奥迄飲み込む様な形の侭、舌を動かした。本当に口なのか、疑わしい。
俺は確かに、キースが云う通り上手い。けれど此れは次元が違って居た。こんなテクニックが存在するのに、自分がそんな事を云って居たのが恥ずかしく思えた。
口蓋と舌扁桃で先を締め付け、シャギィが喉を動かす度其処は動く。舌は長いのか、矢鱈動く。そして真空と来る。
「ヘンリー、本当に俺の事忘れてるだろう。」
キースの不機嫌な声に俺は仕切りに頷いた。
「覚えてるよ。でもね、正直云って、快感が強過ぎて、誰がしてるのかも判らない。自分の感覚も無いや…」
全身がどろどろに溶ける快楽は、ヘロインに似て居た。
此の侭イけば、駄目になる。
そんな薬に似た、恐怖を伴う快楽を知ってしまい、口を離してくれと云った。然し遅かった。恐怖な、コカインの様な快楽が来た。
「ん…ふ…っ」
苦しそうにシャギィは鼻を鳴らし、喉を鳴らした。余程仕込まれて居るのか、涎一つ零さず顔を離した。
「軍服は汚してないよ。」
「当たり前だ。」
二つの声が嫌に頭に響き渡り、アドレナリンが凄い速度で脳を走り回って居た。全身が心臓みたくどくどく脈打ち、俺は上体を屈した。
「ヘンリー…?」
「最高だよ…。最高だよ、シャギィ…」
在の時の感覚が全身を支配し、思考等止まって居た。
ヘロインの至高の浮遊感の中で、強烈なコカインの刺激を受けると、世界が爆発した様な楽しさが来る。
俺はそんな状態で、尚且酒迄入って居る。
最高で最低な状態、俺は在の時みたく高揚した。
「キース…、キース愛してる…」
一度達した筈なのに、俺は興奮し切り、シャギィを睨み付けるキースをベッドに押し倒した。キースに触れてはいけない命令を下した覚えは無いのだが、俺の余りの興奮加減に手を上げて居た。
「ヘンリー…?」
「一緒に気持良くなろう…」
其の言葉にキースは眉を上げ、シャギィを一瞥すると目を閉じた。
「ハニー…、覚悟してよ…」
「勿論。」
「シャギィには、負けてられないから。」
キースは一度呻き、興奮し切る其れに感じた快楽にシーツを掴んだ。整えられた髪がベッドの上でぐしゃぐしゃになるのは堪らなくセクシーで、俺は何時も其れに興奮して居た。
「ハニー?俺とシャギィ、どっちが良い?」
そんな意地悪な質問には答えず、シャギィに腕を伸ばした。
「早く脱げ…。皺になるだろう。」
「俺、混ざるの?」
シャギィは思ったに違いない、此れは自分を戒める為で、故に自分は俺達が混ざり合うのを見るだけなのだと。
「そうだよ。嗚呼でも、軍服は脱がなくて良いよ。」
快楽の中で見せる怒りの表情は、艶の塊だった。キースの物に舌を置いた侭、シャギィにベッドに座る様云った。微かな其の舌の動きにキースは小さく息を漏らし、此処?と聞いたシャギィに頷いた。
キースの事なら何でも知って居る。本の少しの先への刺激が、一番好きだと云う事。
「シャギィ、調教してやって。」
俺が話せば話す程、涎では無い透明な液体が口の中に溢れる。
「調教って…?」
「其方のロイヤルさん、神掛かった下手くそさ何だ。」
シャギィの股座に視線を遣り、眉を上げた。
「へえ、下手くそ何だ。」
同じ様に眉を上げ、キースを見下ろした。
「放って於け…」
「於ける訳無いだろう、キース、余りにも下手だよ。少しは勉強しなよ。じゃないと。」
口を離し、強く握り締めた。
「イかせないよ。」
「怖い。」
笑う俺にシャギィも笑い、キースだけ不機嫌な顔をして居た。
「調教って、云ってもなあ…」
キースの顎を掴み、シャギィは顔を覗く。唇同士が触れる距離でシャギィは唸った。
「俺、調教はされたけど、した事無いんだよなあ。」
如何仕様か、と甘くキースに聞いては居るが、頷く筈は無い様思う。だって反応が、弱くなって居る。
「ハニー、集中してよ。」
「出来る訳無いだろう。」
「そう。」
屹度キースは、シャギィの姿が邪魔で仕様が無い。其れに気を取られて居る。
だから俺は、シャギィに手を伸ばし、タイを外した。
「シャギィ、其れでキースの目を塞いで。」
「え…?」
シャギィは当然困惑した。シャギィの知るキースは、傲慢で自分勝手なサディスト。最悪、シャギィの中のキース像を崩し兼ねないが、キースの気分が散って居るのなら、其れみたく散らす迄であった。塞がれる当人は俺を見て居た。
何時もの様に。
艶で俺を誘う。
其の艶に誘われる侭顔を寄せ、解かれたタイ先でキースの頬をなぞった。
「ハニー、うんと虐めてあげるからね。」
其の言葉でか頬の擽ったさでか、キースは一番身震いを起こし、そして足の付け根を揺らした。
「ヘンリー…」
目を塞がれたキースは口を半開き、俺の名前を繰り返し、俺を求めた。其れは俺が、薬を探し求めて居る時に酷似して居る。
「シャギィ、チェストの一番下の引き出しから、ゴムとローション取って。」
キースの髪を撫で、沢山キスをし、シャツの釦を一つづつ外して云った。云われる侭シャギィは其れ等をベッドに並べ、俺は何をすれば、そう聞いた。
「キースはドギースタイルが好き何だ。」
「成程、判った。」
ベッドに俯せになったキースの丁度顔の所にシャギィは座り、調教してくれ、其の命令に従った。ローションの冷たさに身を震わせたキースの口に、シャギィの其れが当たる。
「アドミラル、スラックスが汚れて仕舞いますので、御考え下さいね。」
俺は笑った。
明日が休みであればクリーニングに出す事は出来るが、生憎明日は平日。自分で誇りを汚す事、許されはしなかった。
「良いね、目の前に海軍元帥が二人も居る。俺も着様かな。」
キースの其処を解し乍ら、軍服に目を遣った。シャギィは着て欲しそうに目を揺らし、同じ様に視線を向けた。
「キースがねえ、小さかったら、俺の着せてヤってやるんだけど。」
云っては見たが、在の軍服を着たキースを想像すると、笑いが出る。似合わない事此の上無い。
「でかくて悪かったな。」
シャギィの物に口を付け乍らキースは呻いた。
「嗚呼、ハニー。大きいのは身体だけじゃないだろう?」
解して居る指を滑らせ、液体を垂らし乍ら強気を見せる其れを掴んだ。
「態度もでかいだろう。態度が一番でかいね。ふてぶてしい。」
全く関係無い事を云った。違いない、とシャギィは身体を揺らし、キースの両手首を掴んだ。
「口もでかい。」
「嗚呼、そうさ。大口叩いて、威張り腐って。」
「でかい口叩く割には、本当、下手くそだね。」
「だろう?吃驚するだろう?」
俺達の会話にキースは無言で、けれど、俺みたく脳で快楽を知って居た。掴む其れが驚く速さで肥大し、蔑まされ感じる変態は、本物の海軍元帥様だった。
「ディープスローク迄求めやしないよ。」
無理だろうから、と云うと、キースは一度シャギィの物から口を離し、数回顎を動かした。
負けず嫌いのキース、俺の可愛い変態な元帥様。
「此れは良いな。」
シャギィは笑った。
俺に触れてはいけないシャギィは、キースの手首を掴んで居る事で其れを実行した。
憎たらしいキース、憧れの海軍元帥様。
其れが自分の物を咥えて居る。
「手を使わないですると、興奮しない?」
優しい聞くシャギィの声に紛れ、水音が響く。シャギィは何も云わないが、俺は思った。
「涎、凄くない?」
「凄いよ。べちゃべちゃ。」
水音が止まった。
「キース、駄目じゃない。止めたら。」
「頼む、脱いでくれないか?汚れたら本当に困るんだ。」
シャギィは俺からの命令を待つ様に首を傾げ、俺は首を振った。
態度もでかい、口もでかい、人一倍でかいのはプライド。俺は其れを、一瞬で微塵にさせるのが好き。
此の、戒めの杭で。
崩れ落ちたプライドの様にキースは上体を崩し、崩れ落ちる音は覚束無い吐息だった。ワルツに紛れる微かな息遣いは、新しい音楽を作った。震える口元は腰に其れを連動させ、シャギィの歪む口元を見た。
「歯が当たって気持良い。」
「君、本当に変態かい…。俺は其れが嫌何だよ。痛いだけで、気持良く無い。だろう?キース。」
震える腰を叩き、自分に引き寄せた。引き寄せられた所為でシャギィの物は歯で引っ掻かれた。シャギィは小さく喘ぎ、先から液体を溢れさせた。
「何だい、皆変態だね。」
「ヘンリーだって、変態じゃない。」
「うん。」
否定何かしない。今の俺は信じられない位興奮して居る。シャツの上からキースの背中を撫で、頭を押さえ付けシャギィの物を無理矢理口に入れた。
「ハニー、覚悟は良い?」
ワルツの微音量だけでは塞ぎ切れないと判った俺は、無理矢理口を塞がせた。シャギィの口みたく俺を飲み込む其処は、水音を出し、口を塞いで居るのにワルツより大きな息遣いが聞こえる。シャギィの歪む顔を見る所に依ると、相当歯が当たって居る。ローション等要らない程、キースの其処は濡れ、俺の手を濡らす。
キースは調教もされず、唯シャギィの物を咥えて居るだけ。俺がキースに与える振動がシャギィに伝わって居るだけ。見事に出来上がった快楽の輪。
イきそう、そう甘く囁いたシャギィの声に俺は背中を伸ばし、キースに深く埋め込んだ。顔を近付けた俺にシャギィも顔を寄せ、上も下も深く飲み込むキースの息遣いを聞いた。其れに俺達がキスする音が重なり、口を離したシャギィは小さく喘いだ。
藍色に浮かぶ白色。キース本人は強烈に噎せて居るが、其の誇りを自分で汚して居た。汚れた事に間抜けな声を漏らすシャギィには気付かず、漸く離れ、開放された精液を垂らす口は、大きく開いて居た。吐息だけを漏らして居たキースは、一度強烈な快楽を知り、足を痙攣させた。
前立腺を刺激されると、強烈な深い快感を覚え、足が痙攣する。射精の快楽等比に為らない程の、甘い快楽。
「ヘンリー…、ヘンリー…」
甘い快楽はキースの声を甘くし、俺に甘える。でかい図体を痙攣させ、俺を呼ぶキースは、世界で一番可愛い生き物に思う。
「俺の可愛いキース。ハニー…」
蜂蜜の様に甘いキース、蜂蜜の様に流れる液体。
キースの具合に、其の刺激を受けて居る事が判るシャギィは、羨ましそうにキースを眺め、握り締める手首に爪を立てた。
頭に置いた侭の手でタイを外し、掠めるタイの動きにもキースは反応した。微かに濡れたタイ、シャギィの口元が一層歪んだ。
「泣く程良いんだ…」
「ヘンリー…ヘンリー…」
黒に見える碧眼をシャギィは揺らし、青空に似る碧眼を舐めた。
「ヘンリー、キスして…」
「シャギィの精液が付く其の口に?」
俺は構わない。キースがどれだけ他の男の精液を口に付け様が、俺はキス出来る。けれどキースは違う。俺の口には、自分以外の其れを付けて欲しく無い。
「キースが良いなら、良いよ。」
「駄目、我慢する…」
横目で笑うキースには、最高の色気がある。俺は何時も、其の色気に絆される。
プライドよりも大きな独占欲。
キースの重い独占欲は、確かに俺を快楽に誘う。艶と独占欲にすっかり絆された俺は、キースに愛を伝えた。俺が達した其の後、快楽を後追う様にキースも達した。掌に零れる精液に堪らない愛おしさを感じ、全てを口に含んだ。
キースとのセックスでは珍しく、たった一度出され精液は恐ろしく濃く、愛の味は喉に張り付いた。微かに甘い其の味。一滴も残らず舐め尽くし、絶え絶え息を繰り返すキースに、漸くキスをした。
「愛してるよ、キース…」
蕩ける笑みをキースは晒し、ベッドに沈んだ。幸福を感じるキースにシャギィは複雑な顔で、キースが目を閉じて居る事を良い事にキスをした。
「ヘンリー…」
「抱いて欲しい?でも駄目だよ…。キスだけ。」
「其れでも良いよ…」
強請る様なシャギィの声。快楽の余韻を残す俺は、熱く貪る様にキスをした。何度も舌を絡ませ、涎を顎に伝わせ、キース以外の唇を楽しんだ。
「シャギィ…」
「ヘンリー…ヘンリー…」
本当に好きで堪らないとシャギィは熱く吐息と共に吐き、俺にしがみ付いた。
抱いてくれ等贅沢は云わない、唯一度、貴方でイってみたい。
強烈な殺し文句に俺は唇を離し、シャギィを愛おしく感じた。だから、キスで感じたシャギィの物に指を絡ませた。
「此れだけだよ、本当に…」
「良いよ…」
笑顔の中で涙を見せた。
キースが居なければ、俺はシャギィを抱いて居た。もっと云えば、恋に落ちて居た。
シャギィは余りに可愛いく、従順過ぎる。然し幾らシャギィに恋をし様が、俺の気持は、キースの物。在の時、自分さえも見失無い荒れた俺を見詰める在の瞳に、俺は絶対な忠誠を誓った。
シャギィの主人が俺である様に、俺の主人はキース、そう昔から決まって居た。
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