ALICE in rehab


毎週日曜に聞く聖書にハロルドは嫌気が差して居る。何が悪い事なのかさっぱり判らず、なのに改めてを求める此の礼拝。一番後ろの席で、ブラッドと欠伸を殺して居た。ルカは一番前の席でグレンと真剣に聞いて居る。
「ルカに、意味判るの。」
「さあな。」
抑、こんな事で改心出来るのなら、ブラッドはこんな場所に居ない。気休めの、彼等の自己満足に過ぎない行為。
「オナニーみたいだ。」
「俺、一回、聖書で抜いた事あるぜ。」
椅子の上で体育座りをし俯いて居るブラッドはくつくつと笑い、ばらばらと聖書を捲った。聖書で抜くとは、又斬新な背徳行為だと、ハロルドも笑う。
「こう、ナニを挟んでな、擦る。」
終わった時には精液で滲んだインクがナニに移り、徳を受けた気持になったと云う。そんな自分のナニを見たブラッドは、此れが最高傑作何じゃないか、思い、そんな彫刻を掘った。キリストのナニに聖書を、ユダが自分を裏切った所を書き、足元にはインクの滲んだ聖書をばら撒いた。最悪の冒涜だ、と猛攻議を受け、其の彫刻は作って半年後、信者達に破壊された。キリストの彫刻をぶっ壊した、とブラッドは信者達を高笑い、此処でブラッドの作品は“完成”した。
「最高。」
「御前も一回やってみたら?人生変わるかも。」
「ユダ相手なら、抜けるよ。」
ハロルドの言葉にブラッドは横目流し、笑う。
「御前に薬を与えた男が、ユダ其の物だもんな。」
「そうさ。俺はユダに恋をしてる。ユダのキス、是非欲しいね。」
そうハロルドは云い、司祭の真後ろに聳える十字架を指した。
「第一、在の顔は趣味じゃない。如何にもな変態面。だから裏切られたんだ。」
司祭の言葉を止める程ブラッドは笑い、振り向いた一同にハロルドは手を振った。
「気にしないで、一寸心を病んでるんだ。頭はかなりやられてる。」
自分を見る司祭、其の後ろには十字架。
ハロルドは思う。
君達は重い十字架を背負い生きて居ると司祭は云う。然し、そんな事をしたり顔で云う司祭こそ、真後ろに十字架があるのだからそうでは無いのか。
罪を罪だと認めた時、其の十字架は消える。
ならば、司祭は即刻祭壇から下りるべきだ。
気付かぬ内に十字架を背負った哀れな司祭。
閉じて居た聖書を開き、股に置いた。




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