ウェストウッド通り


「俺が君を裏切ったんじゃない…君が、俺を裏切ったんだ…」
「私は、自由で居たいのよ…」
「体の良い言葉だな…男と寝る事が、君の自由か…」
「違うわ、貴方を傷付ける事が、私の自由なの。」


遠い記憶の其の言葉。振り向いたブロンドの口は赤く、綺麗な青い目をしていた。

「イヴ…」

驚いた其の顔に言葉を無くした。




「そう云えば、パパを最近見ないね。」
「パパはもう居ないの。此れからは、ママと二人だけよ、イヴ。」
「何で居ないの…?」
「さあ、消えちゃったの。」

其の時飲んだシチューの味、良く覚えている。とても面白い味がしていた。肉を食べない母親が、珍しく肉を入れ、食べている事にもイヴは面白さを感じた。
そして、父親が消えた日は、酷い天気だったのも覚えている。

「此れ、美味しいね。」
「そうね。…明日は、ハンバーグよ。」
「又御肉?」
「そう。御肉が、沢山あるの。食べないと、腐っちゃうでしょう…?」

赤い口が動き、其処に付いた白いシチューを舐め取る赤い舌。

「本当に、美味しいわね。」
「うん。」




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