サンタの贈り物
クリスマス何て、英吉利に行く迄祝った事無かった。
俺は、神を恨んでるから。
そんな申し子のキリストの誕生日何て、祝うのも馬鹿らしい。そう思って居たけど、あんなに必死な琥珀の姿を見て、やっぱり父親として如何にかしてやりたかった。
キリスト何ざの誕生日は、此処には浸透して居なくて、ツリーも無い。英吉利にはあったから、持ってくれば良かったかもしれない。そうしたらサンタも、少しは気付いたかもしれない。
「姉さん。」
俺達の、可愛い可愛い天使には、一体何を贈ったら良いだろうか。
どんなに沢山の御玩具をあげても、絵を描く道具をあげても、琥珀は喜ばない。
一番欲しいのは、母親の優しい声だから。
「俺ももう一度、姉さんの声を聞きたいよ。」
写真を見て、久し振りに涙が出た。
星を見る白い息が雪に変わって、牡丹雪が桜の枝を掠める。丸で、花弁みたく枝にたっぷりと乗って、真冬の桜を見た。
「此れが、サンタのプレゼント?」
鼻で笑い、煙草を消した。
寝る前に一度琥珀の部屋を覗いて、アレキサンドリアとすっぽり布団に入って居るのを確認した。俺はサンタに何て夢のある人間にはなれないから、キスだけをした。
「御休み、良い夢見れると良いな。」
琥珀は少し動き、見えた顔は笑って居たから心配する事は無いだろう。
俺も今日位は、良い夢を見たい。尤も、寝ても覚めても、夢何て滅法御無沙汰だが。
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