狐と狼


響く靴音。其れに紛れる和臣の声。
「門の処にな、大佐。」
「はい。」
「白い物体を見たんだが、何だ、陸軍は何時の間に白い軍服を取り入れたんだ?」
和臣の言葉に大佐は首を傾げた。
「白い、軍服、ですか?」
「嗚呼。何だか加納元帥の軍服に似ていた。けれど加納元帥の軍服は、黒だった筈。」
「海軍の、ですか?」
大佐の頭は益々混乱し、和臣の言葉を待つ。
「白い軍服は目立つだろうに。」
和臣の言葉は其れで終わり、靴音が響いた。




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