熟れた罪
全てを、終わらせる。
此の現実から、逃げる。
誰も居ない、遠くへ。
逃げても、変わりはしないかもしれないけれど、こうする他、策は無い。
約束した。
一緒に、居ると。
誓った。
決して手を離さないと、あれ程誓ったのに。
今此の冷たい手に掴んでいるのは、流れ落ちる生暖かい血と、孤独と、絶望だった。
もう、何も無い。
俺には、無いも、残っていない。
彼女の温もりも、笑顔も、何もかも、全て、自分が此の手で離した。
彼女は、もう、戻って来ない。
どんなに泣こうが喚こうが、彼女が俺に笑ってくれる事は、二度と無い。
其の、現実。
T-ss