「こんにちは」
「やあ、名無子。久しぶりだね」
「そうですね。昨日ぶりです」

今日もまた博士に呼び出された。
内容は言えないけれどとにかく研究所に来てほしい。そうホログラムでうつされた博士が言った。
その時丁度ミアレシティで探偵をしていた私は、もしかして近くにいることがばれてるのでは?と、バッグの中、帽子の中、絶対にありえないとは思ったが服の裏を確認した。
「さすがの博士も盗聴器なんて仕掛けてないよね」
「きゅ?」
真ん丸の目を開いて不思議そうに私を見るルリ。「なんでもないよ」と撫でると嬉しそうに身をよじった。
私はポケモンセンターを出て、すぐ先にある研究所の門をくぐった。

「絶対にどうでもいいことだとは思ってましたけど、予想を遥かに超えてましたね」
自分の爪が切られていく様子をただじっと眺めている博士。何がいいのかわからないが博士は嬉しそうにニコニコと笑っている。
「名無子が来てくれて本当に助かったよ」
「自分でやらないんですか?」
「だって深爪したら痛いよ」
「切り過ぎないように爪を切ることは出来ないんですか?」
「だめだよ、それは出来ない」
もし私が呼んでも来なかったらどうするんだろうとか、言いたいことは沢山あったがきっと何を言っても答えてはくれない。博士はそういう人だ。

「君の手は柔らかいね」
「セクハラで訴えますよ」

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