「こんにちは〜……あれ?」
「博士なら向こうにいますよ」
研究所の三階に上がってすぐ左にいた彼女は、博士がいる奥を指さした。
「あ、ソフィさん。ありがとうございます」

「博士」
窓の外を見ながら何かを考えている様子の博士。
声をかけると驚いた顔をしてこちらを見た。その顔はどこか疲れている。
「名無子?珍しいな。いつもはボクが呼んだってちっとも来ないのに」
「私にも都合があるんです」
「はは、ごめんごめん。それで、今日は何かな?図鑑を評価してほしいの?それともボクが恋しくなった?」
私はゆっくりと博士に向かって歩き近づいた。
「これ」
「お菓子、かい?」
「研究してる博士は好きです。ポケモンへの熱意も、愛情も知っています。でも、だからって、自分の体を大事にしないのは駄目です」
ぽかんとする博士。私は何を言ってるんだろう。自分が発した言葉に段々恥ずかしくなってきた私は、逃げるようにエレベーターに乗りこみその場を去った。


「彼女、多分気づいていたんじゃないですか?博士が忙しいことに」
「うん、そうかもしれない」


お菓子を手に持ったその顔はとても幸せそうだったと、ソフィさんは後日訪れた私に教えてくれた。

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