「きゅるん」
ルリをモンスターボールから出していつものように遊んでいた。
同じ表情をして遊ぶ、顔遊びだ。ルリは口をすぼめてキスの顔を強請ってきた。
「はい、ちゅー」
「きゃっきゃ」
顔を真似ながら、そのまま額にキスをしてあげるとルリは嬉しそうに跳ねた。

「ねえねえ」
その様子を見ていた博士。私は今博士の椅子に座って遊んでいた。(ちなみに博士は私に椅子をとられているので立ったまま本を読んでいる)
「ボクは名無子の恋人だよね?」
「そう、ですね」
まだ少し慣れない呼び方。でも博士と私は紛れもなく恋人同士だ。私も博士も、一見そうは見えなくてもお互いが好き。
「ボクにもキスしてほしいな〜」
「イヤで……」
断ろうとする私の言葉を遮り「してほしいな」と再度言った。

「わかりましたよ。恥ずかしいんで目は閉じてくださいね」
「やったー!」
ルリを撫で「また後でね」と言い、ボールの中にしまう。いくら大好きな子でも、もし視線を向けられていたらと思うと少し恥ずかしい。
いつのまにか私のすぐ目の前までやってきた博士。顔を屈め素直に目を閉じた。

言うだけなら簡単だが、私の体は動かなかった。
自分からキスしたことなんてない。そもそも恋人が出来たのだって博士が初めてで、何もかもが未体験だ。
博士が目を閉じている間に、このまま姿をくらましてしまおうか。そんな考えが頭を過ぎる。
迷っていると、博士は閉じていた目を開けにっこり微笑んだ。

「やっぱり、ボクからしたいな」

軽く触れるだけのキス。
私の顔を赤くするには十分だった。
「好きだよ」
「……わ、私もですよ」
「もう!本当に名無子はかわいいなー!」
「調子に乗らないでください」

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