「うひゃー!」
「まあ」
「うわっ」
「ちょっとそこまで」と十分前に外へ出かけた博士。
大きな声を出して戻ってきたかと思えば、頭から足の先までびしょびしょに濡れていた。
私とソフィさんも思わず声をあげる。
「どうしたんですか博士」
「まいったよ。晴れていたんだけどね、途中で空が暗くなったかと思えば急に土砂降りの雨が降ってきたんだ。おかげで全身びしょ濡れだよ。買い物に行っただけなのにこのざまだ」
「今日の運勢は多分あまりよくないね」と、まるで女子みたいなことを呟く博士。ポタポタと水滴を垂らしながら自分の机へと向かった。
「博士、待ってください。水が垂れてます」
私はソフィさんが持ってきてくれたタオルを受け取り博士の元まで走った。
「名無子が拭いてくれるの?」
「そりゃあ、まあ」
私の手が十分に届くように中腰になってくれた。こういうふとした優しさはさすが大人の男性だと思う。
ごしごしと勢い任せに、髪をいたわるとかそんなのお構いなしに拭く。
「水がパソコンの上に垂れて、故障したら大変ですからね」
「ボクの心配は?」
「その次です」
「やっぱり今日はあまりついてないみたい」口をとがらせて不服そうな博士。
その様子を見て私は思わず笑った。