「博士ー、この本はここにしまっていいですか?」
「うん!そこでいいよ、ありがとう」

少し前のこと、私はいつものようにホロキャスターで博士に呼び出され研究所に来ていた。
前に見せた時から図鑑はそれほど変わっていないと思うのだが、博士は私の図鑑を見ると「頑張ってるね」と優しく声をかけてくれた。

そして現在。
なぜか本棚の整理をしている。

「ちゃんと片づけをしないからですよ」
「はい……すみません」
今の博士はやけに素直で、そしてちょっと暗い。
先ほど私の図鑑を見たあと、ソフィさんにある質問されて必要な資料となる本を探していた。だが、探し物は一向に見つからずあれこれ取り出しているうちに、本が全部ひっくりかえってしまったのだ。
助手のソフィさんに怒られて、私にも注意され、たまたま外に出していたルリには丸い手ではたかれていた。(私が指示したわけじゃない)

「読んだらちゃんと元の場所に戻してくださいよ?適当な場所にいれたら、またわかんなくなって探すのが大変な上に大事な本を落としますからね」
「忙しくてもだめ?」
「駄目です……っていうか、整理する前から何言ってるんですか」
「あはは」
「笑っても駄目です。で、この本は?」
「あ、それはこっちに」

二人がかりでやっと終わったころには外は少し暗くなっていた。

「お疲れ様。手伝ってくれてありがとう。助かったよ」
「いえ、これくらいいいですよ。博士一人じゃもっと時間かかってたでしょうし」
「なんだか名無子には沢山手伝ってもらってるね。図鑑といい、本の整理といい」
博士はすまなそうに言った。
「いいんですってば。そういうの、博士より私の方が絶対得意ですもん」
それに、なんだかんだ言って博士と二人の時間を過ごせたのだ。不満なんてない。
「そうだ!お礼といってはなんだけど、今日の夜は外に食べに行こうか」
「博士とですか?」
「いやだった?」

「いいえ、喜んで」



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