「それで、いつになったら僕の恋人になってくれるんですか?」
ジョルノが言った。

「いつだろうね」
「もうそろそろ?」
「まだだよ」
「その台詞、もう何回聞いたかわかりません」
「これからも聞くことになるかも」
「どうしてそこまで僕を拒むんですか?」
「だって、私と付き合っても楽しくないよ」
「そんなことありません。少なくとも僕は、あなたと過ごす時間はとても楽しい」
「ジョルノってば、子供っぽいこと言って」
「……名無子」

ふう、とジョルノがため息を吐いた。あ、また一つ嫌われたかもしれない。と少しだけ焦る。しかしそれでいい。それでいいのだ。私と彼とでは、天と地程の差があるのだから。私はもう恋を楽しむなんていう歳ではないし、ギャングのボスである彼の愛を受け入れるような覚悟もない。彼はボス、私は部下。その関係でよかった。そのままでいいのに。彼はそれを許してはくれない。

「あなたが僕の事を男として見てくれるにはどうしたらいいです?」
「ジョルノはかっこいいよ」
「違う、そうじゃない」
ジョルノは座っていたソファから立ち上がり私の方へと近づく。

「あなたを愛してるんです、名無子」
いつの間にか手に取ったペンを花に変え、私の手を取り甲にキスを落とすその姿はまるで王子様のようだった。
「ダメだよ、私じゃ釣り合わない」
「どうか逃げないで。あなたの本心を聞かせてください」
「私、私は…………」



新生パッショーネ、アジトにて。
私は初めて、彼のキスを受け入れた。




(きっと夢中にさせるから/確かに恋だった様)

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