ゆったりとした時間が流れる日曜日。
プッチさんは朝早くから教会へ。ディエゴ君も同じく朝から出かけている。吉良さんとドッピオ君は二人で近くのスーパーまで買い物に出かけていた。DIOさんはというと、昼間なので棺の中でお休み中。
こんなに静かな日は久しぶりだ。
折角の休みなので私もどこかへ出かけたかったがそういう何もない日に限って皆用事があるもので、お誘いは全て断られてしまった。
一人で遠出するのもいいな、と思う。知らないところに出かければ、きっと冒険みたいで楽しいだろう。しかし、貧乏生活を強いられている私が行ける距離といえば精々最寄りの駅から隣の駅までだった。
私は何をするわけでもなく畳の上で寝転がり暇を持て余す。時々携帯を眺めてはニュースを読んだり、動画を見たりしていた。目的のないだらだらとした時間も結構好きだ。
腕が疲れてきた頃、携帯を閉じてから天井をぼうっと見つめた。こんなに低かっただろうか。改めてこの部屋の狭さを感じていると、寝転ぶ私の横でテレビを見ていたカーズさんが視界に入ってきた。
「何をしている」
「天井見てます」
「それは面白いのか?」
「面白そうに見えますか?」
「いやまったく」
真面目な顔で聞いてくるカーズさんの方がよっぽど面白かった。話しかけても動かない私を見て、カーズさんは諦め他に暇をつぶせるものを探そうと立ち上がる。すると、油断したのか頭を電気にぶつけていた。
「大丈夫ですか。今思いっきりぶつけてましたけど」
寝転んだまま声を掛ける。カーズさんは頭を押さえながらこの家の天井の低さに文句を垂れていた。天井が低いんじゃなくてカーズさんが大きすぎるんですよ、とは言えなかった。
「DIOさんも大きいけど、カーズさんも大きいですよね」
「当たり前だろう。餌より小さいわけがない」
何故か嬉しそうに鼻を鳴らした。
「百九十センチを超えた人の目線ってどんな感じなんですか?」
「説明するより見たほうが早いだろ」
「え、それはもしかして……うわあっ」
カーズさんは私を軽々と担ぎ大きな肩に乗せた。
「肩車というやつなのだ」
「またいらないこと覚えて……」
「どうだ?このカーズと同じ視界は」
「頭が天井に当って前が見えないです」
「なんだと」
さっき天井が低いと文句をたれていたのはどこのどいつだ。
「では外に移動しよう」
「いだだだだ!ちょっと待ってください!」
私の首が九十度に折れ曲がった状態のまま玄関を目指すカーズさん。
「なんだ」
「首がもげたらどうするんですか。一旦降ろしてください」
「取れたらまた付け直してやるから安心するのだ」
「私の首はフィギュアか何かですか」



(家族で15題/TOY様)

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