うちは忍者2
自業自得とか、そんな訳ない
こんなはずじゃなかった、という言葉は何かを失敗した人が言うものだ。私はそんな人にはなりたくなかったから、此れまでどんなことがあっても言ったことがなかった。ああ、それなのに、
「こんはずじゃ、なかった…。」
とある任務を終えた帰り道、まだ協定を結んでいない、とどのつまり敵の群団と遭遇した。偶然という名の不幸は突然襲いかかってくるのだ…。そう、群団である。7、8人ならよかったものを2、30人の規模でやたら統制がとれているときた。そして厄介なことに一族固有だか秘伝だかの術をつかってくる。逃げるに逃げれない。此処までは、まだ、良い。何時もの私なら楽勝だったはずだ。決して強がってない。ただ、任務帰りというのが、悪かった。チャクラがほぼ尽きていたのだ。あの鬼畜な火影が私がこなせるであろう任務をギリギリまで詰めて来たのだ。嫌がらせで間違いない。
何が言いたいかというと、大変ピンチであった。
しかし、大変真面目で優秀なうちはの忍、サユリは敵に得意の体術で、チャクラを拳に込めれないことに内心震えながらも、大打撃を与え、なんとか撒いて里の入り口まで戻って来た。此方も大打撃だが…。何せ、こうして死にかけているのだから。
そうして、冒頭へと戻るのである。
思えば木の葉の里ができてから、碌な事無かったな、ほんと。
まず、協定を結んだ証だか記念だかでうちはと千手の代表が婚姻を結ぶという話が流れて、柱間はもう既にうずまき一族と婚約していたため、ほー、ついに頭領も結婚か寂しくなるなーと思っていると、頭領はそんな話知らないとか言っていて、疑問に思っていると、私と扉間か結婚するらしい、とかいう変な噂が流れていて、それを会いたくも無かった扉間に言ったら、しらっとした顔で本当のことだとか言ってきて…。
発狂して頭領に泣きつきに行き、事のあらましを説明した。頭領は当然反対してくれた、殺気を醸し出しながら。だが、他のうちはの者達は違った。どうやら扉間が根回ししていたらしい。余りにも嘆かわしい事実に愕然とした。扉間め、一体どんな賄賂を…。
一人私のために一族の者達を説得する頭領を見て、私は気づいてしまった。…このままでは頭領は妹(のように可愛がっている子)離れできない頑固者として孤立してしまうのではないか。
私は頭領にその事を伝えた、もういいのです、と。頭領は愕然としていた。
だが、諦めの悪い女であるサユリはその後扉間のもとへ直談判しにいった。鎧をつけ、刀を下げ、ついでに好物の煎餅を懐に。フル装備である。
「お前、鎧も刀も戦いに使わないだろう。」
「あ、そういえば、そうだった…。」
余談だが私の幼少の頃の渾名はドジっ子忍者である。的を射ていた。
哀れな者を見る目で私を見てくる扉間に、何も言い返せなかった。悲しくなった私は、刀を置き、鎧を脱ぎ、その場に座って泣きながら煎餅を取り出し食べた。扉間が私の隣に腰を下ろす。おい、やめろ、これは私の煎餅だ。頭領がくれたものなんだぞ、というと突き返された。失礼な奴め。
「本当に私と結婚するつもりか?」
「もう決まった事だ、撤回はしない。」
「、お前はそれで良いのかっ、お前ならもっと選べるはずだろう{emj_ip_0793} いや、私だって選び放題だがぁ?」
「選んださ、お前をな。」
私は今までにない程の速さで家に帰った。神速の域である。どうしよう、また渾名が増えてしまう。木の葉の、閃光、とか。鎧も刀も置いてきてしまったが、煎餅だけは反射的に持ち帰った。
その夜からすぐのことだった。頭領が里を抜けた。泣いた。
頭領の後を追おうと息巻いた私に、扉間はど偉い量の任務を任せてきた。私は責任感の強い真面目な忍のため、一度任された仕事を放って置けなかった。扉間に踊らされている感が否めないが、出来ないとあいつに言うのは悔しいので、律儀に、こなしていた。
今回の任務はそうして任されたものだった。
以上が事の顛末、という奴である。しかし、死にかけている私にとっては、もしや走馬灯という奴なのではないだろうか。
こんな扉間成分の多い走馬灯は嫌だ。頭領との思い出をもっと出してくれ…。というのが、後に聞いた私の遺言である。
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