ミステリー小説家1

自ら探偵をなのる少年、江戸川コナン君。
最近、とある事件を切っ掛けに仲良くなったのだが、この少年及び彼の関係者、信じられないくらい事件に巻き込まれている。


かく言う私自身も、以前とは比べ物にならない程、何らかの事件に巻き込まれるようになった。
…とはいっても、それは大した問題ではない。寧ろ……。
不謹慎なことだか、小説家である私にとっては貴重かつ重要な物語のネタのなるからだ。

ミステリーに重きを置いている身として、これ以上のリアリティはない。
彼との出会いこそ、小説家として私をさらなる高みへ導いてくれるのだ、と期待している。
小学生に何を…、と思われるかもしれないがコナン君との関係は是非、良好に保っておきたいのだ。

「今度ねぇ、コナン君をモデルにした主人公で推理小説を書こうと思っているの。」
「え、僕を?」
「あー、勿論そのままコナン君そっくりに書こうって思ってるわけじゃあないのよ?
子どもにも読みやすいように、ファンタジー要素を取り入れようと思っててね。」

へぇー推理小説にファンタジーかぁ、と少し興味深げに呟く彼を見て、嬉しくなった私は主人公の細かい設定をやや得意気に語った。

はじめのうちは、楽しそうに聞いてくれたコナン君だが、語っていくにつれて顔がどんどん引きつっていく。心なしか、青ざめていないか…?

「ね、ねぇ、どうかした?…もしかして、」
「な、何っ」
「えっ、いや、もしかして、そんなにつまらなかった?確かに、この設定、推理ものにしてはちょっと冒険しすぎたかなぁ、ともおもってたの。」

やっぱり辞めとこうかな、と言うとコナン君はホッと安心したように息をはいた。青ざめたままだが。

「でも、人気出ると思うんだけどなぁ。


探偵をしている主人公が、突然謎の悪い組織に襲われて無理矢理怪し気な薬を飲まされ、子供になってしまう。しかし、頭脳は大人なままの主人公。
悪い組織との危ない攻防を繰り広げながらも数々の難事件を解決していく。

みたいなお話。
まぁ、リアリティが無さすぎたかなぁ?」

「あ、はははは.........、はぁ」









夢主設定
ミステリー小説家(20代前半)
若手美人小説家として割と人気だが、まだまだ売れたい野心家。小説へのこだわりと熱意は半端じゃない。推理は得意で犯人の心理を考えることで真相に近づく。犯罪心理についてやたら詳しい。
コナン少年との出会いは自身が殺人事件で容疑者として選ばれた時。真剣に考えていれば容疑を自分で晴らすことができたはずだが、自分が容疑者になったことで創作意欲に負けた。コナン君が居なかったら冤罪逮捕も夢じゃなかった。

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