ヒーローになりたいスタンド使い


正義のヒーローにずっと憧れてきた。
悪いヒトをやっつけたい、誰かを助けることができる私になりたい、正しくなりたい。
物心付いた時には、ヒーローを夢見る子供になっていた。きっと私はヒーローになれる。何故なら、不思議な力を持っているからだ。変身するみたいに大きくなれるし、物だって自由に作り出せる。この力は何なのだろう。しかしながら、誰かとの明確な違いは、ヒーローに欠かせないものだろう。そのせいでお父さんやお母さんからは気味悪がられ、今では離れ離れだがこれは試練だろう。この困難を乗り越えた先に輝かしい未来がある。

ある日本物のヒーローに出会った。
小学校の帰り道、町をパトロールしていたら、道の往来で柄の悪い奴らが空き缶や煙草をポイ捨てしていた。制服からして高校生だ。あんな奴らは叱らなければ。
やい、と言ってポイ捨てはいけないと注意すると不良どもは私を鬱陶しそうに見ると、うっせえなガキィ、とガン垂れて怒鳴ってきた。何て悪い言葉と態度。実力行使が必要だ。
そう思って構えると、不良どもが吹っ飛んだ。あれ、私は何もしてないのに。
あいつらを吹き飛ばした方向を見ると、これまた不良が立っていた。はー、大きい人。この人が、助太刀してくれたのか。
む、として目を凝らすと、大きい人の後ろに青い人?がいた。うわあ。
明らかに肌色でない肌、青ざめているとは到底言えない青。奇抜な格好。正義の化身か。
ヒーローとは不良だったのだ。

「おい、ガキ。早く帰んな。」
「助けてくれてありがとう、青い人も。」
「おいっ、近寄るんじゃあねえぜ。……お前、この悪霊が見えんのか?」
「悪霊?正義の化身の間違いでなく?」
「あぁ?…何で見えんのかは知らねーが、怪我したくなかったら、さっさと家に帰るんだな。」

不良ヒーローは去ってしまった。礼も受け取らず去るとは、なんてカッコいいんだろう。あの人こそ真のヒーローに違いない。弟子入りしよう。
広瀬小百合、齢7歳。ここからヒーローへの道が始まった。

なお、あの青い人は悪霊でも正義の化身でもなく、スタンドと言うらしい。因みに、スタンドを持っている人をスタンド使いといい、私もそれに含まれるのだと。
戦隊作れるかもしれない。

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