一人になりたくない6


「夏喜って、照れ屋?」
「.........ッ、」
「ねーこっち、向いてよ?」
「...色々無理。」
「見えてないって、私コンタクト外しちゃったし。」
「...ゆき乃さん、えろい。」


照れて顔を背ける夏喜に、仕方なく向きを変えてラッコ座り。目の前にちょっと汗をかいた夏喜の額があってそこにコツっと自分のおデコをつけると「ゆき乃...。」小さく名前を呼ばれた。


「ふふふ、夏喜、綺麗な顔だなぁ。」
「ゆき乃さんのが綺麗。」


カプっと耳朶を甘噛みするとビクッて湯船の下、夏喜の腕が私の腰をキュッと抱く。舌でチュルリと耳を舐めると「ンアッ、ハアッ...、」夏喜の甘い吐息が漏れる。そのままほっぺたを吸い上げると夏喜の下半身がビクッと揺れた。


「俺、逆上せそう...。」
「そしたら解放してあげる、」
「ダメ、俺がしたい。」
「可愛いね、夏喜...。」
「それもダメ、ゆき乃さんのが可愛い。...キスしてくれないの?」


ほんのり不満げに私を見上げる夏喜にクスッと微笑むと、両頬に手を添える。


「キスしたら止まらなくなるよ?」
「止めねぇし。」


グイッて私の後頭部を押して顔を寄せる夏喜のフライング気味のキス。

馬鹿だなって思う。自分でも何やってんだ?って。これがケアなのか気休めなのかは分からない。だけど樹に少し似ている夏喜に惹かれてしまうのは仕方のない事なんだと思えば楽になる?

今頃きっと北ちゃんが樹をかまってあげてる。
やっぱり私、北ちゃんがいなきゃダメなんだって。こんな状況で思い浮かべるのは、寂しそう樹の顔と、それを慰める分かりきってる北ちゃんの呆れ顔。そして、今もまだどこかで仕事をしているだろう、直人。

私の身体に愛撫をふらせる夏喜を見つめながらそんな事を思う私なんて、ほんと最低最悪な女なんだろうな。





- 23 -





←TOP