一人になりたくない7


...俺ってゆき乃さんにとってどの立ち位置なんだろうか?

直人さん、仕事、友達、その次ぐらい?

一向に鳴らないスマホ画面を見て溜息。俺に一番に会いに来るって約束したのに、どんなに捕まえようとしてもいつもすり抜けていってしまう。


「イケメンどうした?暗い顔して。」


先日、相談相手が一人増えた。ドラマの撮影でよく一緒になる壱馬さんが膝を抱える俺の隣に座った。てゆうか、いっこ聞きたいことあるけん。


「壱馬さん、マイコさんと...、できてます?」


ボソッと呟く俺にニッコリ微笑む壱馬さん。近くに慎がいないのを確認するように視線を泳がせてから堂々と答えたんだ。


「いっちゃんと一緒やで。俺もどうにもこうにも好きやねん、。」
「女って、なんでいっぺんに二人も相手できんの?」
「二人じゃないかもよ、樹!」


反対側、目の据わった北人さんが俺の肩に腕をかけた。


「なんすか、それ。ゆき乃さん、他にもいるんすか?」


ムキになってそう言うと、笑いながら「冗談だよ。あの人がそんな器用だとは思わないし。ね、壱馬!?」話をフラれた壱馬さんは興味無さそうな顔で「はは。」って乾いた笑い。


「一番になりたいっす俺。」
「「俺も。」」


賛同した二人に「北人さんはいないでしょ!」そう言うと「いやなんか羨ましいなーって。」優しく微笑んでいて。学生の頃とは違って、両想いがこんなにも難しいなんて、思いもしない。


―――それから三日後、ようやく俺のLINEにゆき乃さんからの連絡。


【樹、今日おいで。】

たった一言その言葉がすげぇうれしくて子供みたいにはしゃいでゆき乃さんの住むマンションへ顔を出した。

色々言ってやりたいことがあったのに、顔見た瞬間どうにも愛が溢れて、気づくとゆき乃さんを抱きしめていた。

いつもと変わらない金木犀の香りにホッとして肩に腕を回してキスを繰り返す。


「寂しかった。」


ほんの隙間で漏れる俺の本音にゆき乃さんは嬉しそうに笑うんだ。その顔が見れただけで三日間我慢したかいがあると思えてしまうなんて。


「ごめんね、樹。」
「やだ。」


ギューッと抱きしめる腕に力を入れると「窒息するー、」ってゆき乃さん。だから更に力を強めると「窒息死しちゃう。いっちゃん許して?なんでも言うこと聞くから。」「ほんと?」「ほんと、」腕を緩めてゆき乃さんを覗き込むと、瞳の奥に自分の姿が見えて嬉しくなった。





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