右手の薬指3


結局、北人さんにもまこっちゃんにも言えず。散々突っ込まれたけどやっぱり言わなかった。

まずはその右手の薬指についてる大事そうな指輪の相手を判明させたい。

ゆえに。


「...なんやねん、樹。かしこまって。」
「そうだよ、どうしたの、急に。」


翌日飯に誘ったのはリーダー陣さんと、リキヤさん。特にリキヤさんはELLYさんの弟だし、顔が広い。口も硬そうだし。


「あの、右手の薬指の指輪って、どう思いますか?」


まるで昨日と同じ質問を二人に投げた。

想定外の質問だって顔で、二人は顔を見合わせた。陣さんは「え!?なんて?」眉間に皺を寄せてそう聞き返した。


「樹、好きな人でもいんの?」


リキヤさんの冷静な質問に「僕じゃありません。地元の友達から質問されて、ちょっとよく分からなくて...。」さすがに言えない。

あまりに二人が真剣すぎて。仮に今、俺が本音を話したら、これからの未来を思って反対されるかもしれない、そんな不安が頭をよぎった。


「あーびっくりしたわ。樹に彼女ができた、なんて事になったらマネージャーに相談するとこやったわ。」
「俺も、兄貴に...、いや、直人さんに相談するとこだった。」


レモンサワーを飲みほしてまた新しいのを頼む。やっぱり言えないか。


「そんで、指輪やっけ?」
「はい。右手の薬指です。」
「リキヤさんどうですか?」


陣さんがリキヤさんに振ると眼球を回してまたレモンサワーを飲むリキヤさん。


「人によりけりなんじゃない?後はデザインとか。」
「...一般論はどうですか?」
「うーん。俺は彼女がおったらやっぱり薬指にして欲しいなぁ、思うで?」
「まぁ俺も。樹はどうなの?」


...やっぱり、そうなのかな。


「そうっすね。自分も薬指に嵌めさせたいです。」
「まぁそれが心理やんな。」


もう直で聞くしかないかなぁ、これ。だけどその帰り道、たまたま会ったんだ、「あ、まこっちゃん!」まこっちゃんと仲良く歩いてるゆき乃さんの友達でもあり後輩のマイコさんに。





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