泣きたい夜7


もしもいつか直人にプロポーズされたら私はどうするのだろうか?北ちゃんは、喜ぶ?それとも、やっぱり悲しむ?そして私はそれを心から喜べるんだろうか?


「アッ、そこっ、」
「ここ?」
「ん、そこキモチ、」
「りょーかい。」


汗一つかかずに律動を繰り返す北ちゃんをギュッと抱きしめて私は絶頂を迎えた。


翌朝目が覚めると北ちゃんは隣でスヤスヤ眠っていて。ギュッと北ちゃんの身体に巻き付くと無意識なのか、ふわりと抱きしめ返してくれる。滅多にお目にかかれない北ちゃんの裸体は、他の3人とはあきらかに違くまだまだ細い。


「でも思ったより胸筋ついてきてるなぁ、」


指でツーって触ると大きな瞳がパッチリと開いて目が合った。真っ赤な髪が顔にかかっていて、なんなら後ろ毛はぴょこって寝ぐせではねていて、それはそれで単純に可愛い。


「おはよ。...朝から誘惑?シたりないの?...今何時?」
「まだ時間あるよ。もう少し寝よう。今日もライブだし。」
「うん。」


軽く微笑むと北ちゃんは目を閉じてまた私を抱きしめた。それから小さく聞いたんだ。


「ゆき乃さん。」
「え?」
「一人で泣いた?」
「.........、」


やっぱり北ちゃんはお見通しだと。無言で北ちゃん身体に顔を埋める私を「お っ ぱ い気持ちいなぁ、柔らかくて。」なんて笑った。


「一昨日星空見ててね。なんとなくそーいう気分で。そんな夜は決まってゆき乃さんが恋しくなる。胸の奥がギュッて痛くて、ゆき乃さんの屈託ない笑顔に逢いたくなる。」
「北ちゃん...。」


さらりと優しく髪を撫でてくれる北ちゃんはムーって唇を尖らせる。キスしてって合図。ベッドでまどろんでる時にそうやっていつもキスをせがむ北ちゃんがたまらなく好き。ほんのり笑ってちゅ、ってくっつけるとまた同じように唇を尖らせる。それを何度も繰り返していると、いつも気づくと北ちゃんが上に乗っかっていてゆっくりと愛撫が落とされる。

だけど今朝はキスだけ。


「北ちゃん、もっといっぱい北ちゃんのモノになりたい。」
「...ゆき乃さん。」
「朝だから我慢してたのに、ほんと可愛いオトナだなぁ、ゆき乃は。」


言葉がないと伝わらない事も多い。だけど、言葉以上の繋がりだけでいい時もある。私と北ちゃんはそんな関係なんだって。

今は見えない終着点。見えないなら見えないままでいいのだと、北ちゃんがそう言ってるような気がした。



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