一生一番1


思わずそのツイートを見て笑ってしまった。

全国ツアー中、LIVEとLIVEの合間にちょこちょこ小さな仕事をこなしていくRAMPAGEメンバー。今日は樹単独の舞台を観に来ていた。あえて本人には言わずにファンと同じ客席から見守っていた私に、最後の挨拶の時に気づいたらしい。その瞬間、甘噛みする樹に笑うと彼は照れ臭そうに笑ってお辞儀をした。

だから公演後にエゴサーチすると、樹が噛んだってツイートが何個かあがっていて、それに微笑んだ瞬間、後ろにトサッと甘い温もり。


「あれ?早いね。打ち上げなかったの?」
「切り上げてきた。ゆき乃に逢いたくて。」
「...そんなに私が好き?」
「好きじゃねぇ。」
「えっ!?」


思わずくるりと振り返ると私服に着替えた樹。舞台で観た樹よりもほんのり幼く見える普段の樹は、私の唇を指でなぞりながらその唇を軽く開いたんだ。


「愛してる。」


まさかの言葉に真っ直ぐに樹を見つめると「ゆき乃は?」真剣にこちらを見つめる樹の首に腕をかけて「私も、愛してるよ。」その言葉を待っていたかのよう、唇が重なった。

角度を変えて何度も何度も重なる唇は熱くて、樹の逞しい身体をギュッと抱きしめる。迷うことなくそこに私を押し倒した樹は完全にスイッチが入っていて、私も止める気はさらさらない。キスをしながら樹の背中を指でなぞっていくと「触り方えろいよ、ゆき乃さん!」樹が笑って。


「だめ、集中して。」


そう言うとカアーって頬を赤く染めた。何度もキスをしているというのに今夜はなんだか足りなくて。ベッドの上で樹と抱き合ってまたキスを交わす。


「唇腫れちゃうかな、」
「いーよ、腫れても。止めないけん。」
「ふふ、福岡弁、博多弁?可愛い。」
「...好きやけん、ゆき乃。ばり好いとうよ。」


いつも後回しにしちゃってたからもう愛想つかれるかな?なんて思ったけど、樹の愛は予想以上に大きいのかもしれない。顔に似合わずできあがってる裸体は完璧で。でも私の上で切なく目を細める樹はこの世のものとは思えない程綺麗。


「いっちゃん、」
「…ンッ、」
「好き。」
「俺も、ばり好きやけ…、」


クッて片目を閉じた後ビクビクってお尻を震わせる樹が、肩で大きく呼吸をして私の上にぐったりと重なった。





- 38 -





←TOP