「はは、夏喜照れ屋だから許してやってね!」
ポスッて翔太くんがほんのりピリついた空気を和ませるみたいに私の頭をポンポンって撫でてくれる。
優しいお兄ちゃんみたいな翔太くん。
堀夏くんが憧れて着いていく気持ちも分からなくもないけど、ゆき乃さん優先に考えてて欲しいなんて思ってしまう。
しばらく並んで席に通された私とそたお。
「あ、」
ソファー掛けの長椅子は隣のテーブルと繋がっていてそこにいるのは金髪ギャルとけとくん。
他の女と一緒にいるけとくんとか見たくないのに。
「おいメンヘラ慧人、もっとそっち行けや。」
そたおが慧人くんの横に座るものの私は正面に座ることができずにいて。
「そたお、私そっち行きたい。」
だって顔を見るよりはまだ隣に座った方がマシだと思うじゃん。
仕方なくそたおが立ち上がってこっちに出て来た。
私がそたおと変わって隣に座るとスッと金髪ギャルが席を立つ。
もうピザを食べ終えていた2人。
金髪ギャルがお会計をする為にそそくさとレジに向かう。
あ、行っちゃう!そう思った瞬間、けとくんが私の手をギュッと握ったんだ。
えっ!?思わず横を向くと当たり前にこっちを見ているけとくん。
カサっと紙を手の中に入れてきたけとくんは無言でニッコリ微笑むと私の頭をポスッと押して立ち上がった。
ドキドキしながらそれを開くとそこにはLINEのIDが小さく書いてあったんだ。
「そたお、どうしよ、」
「え?」
「やっぱり好き。」
私の言葉に、何故かそたおが泣きそうな顔で「ほんまアホやん。」小さく呟いたんだ。