【side ゆき乃】
「いいの?大学行かなくて。ゆき乃ちゃん2限からだったよね?なっちゃん心配してるんじゃない?」
ベッドの上、裸体で煙草を咥える勇征は目眩がしそうなくらい美をまとっている。
昨夜ここに泊まったから着替えもないし同じ服で大学なんてそれこそ行けない。
「してないよ、心配なんて。もう私に愛想ついてると思う。」
膝を抱えてそこに顔を埋めるとふわりと後ろから勇征が抱きしめた。
「んじゃもっかいシよ…、」
そのまま首筋から背中まで舌でなぞる勇征に、胸の奥がキュッと音を立てる。
それでも心の奥底では電源の切れたスマホになっちゃんからの着信がないかと思ってしまう馬鹿な私。
月の勲章、八木勇征とこうなったのはつい最近だった。
幼馴染兼恋人のなっちゃんは愛情表現がとにかく下手で、その都度モヤモヤしてしまう。
勿論分かっているけどやっぱり言葉や態度にして欲しい。
なっちゃんと付き合うようになったのも、大学に入ってからで。
なかなか幼馴染という壁を超えてこないなっちゃんを焦れったく思っていた。
何より、翔ちゃんに対して嫉妬してしまう私は、やっぱりなっちゃんからしたら有り得ないのかもしれない。