モヤモヤ解消3



薄いグリーンの肩出しニットとこげ茶に白い花を散りばめたロングスカート。

勇征の部屋にはこうした女物の服が何種類かある。

これは私専用で。

それを着た私達は居酒屋に入る。

チェーン店のそこは安くて美味しくて学生の私たちにはもってこいで、なっちゃんや翔ちゃん、美月や颯ちゃんともよくよく来ることも多いってこと、ほんの一瞬忘れていたんだ。


「トイレ行ってくるね。」


手を振る勇征を背にテーブル席を抜けて奥のトイレに行く途中だった。


「ゆき乃?」


通り過ぎたテーブルからそんな呼びかけ。

振り返るとそこには翔ちゃんと、ちょっと驚いた顔のなっちゃん。


「あ…翔ちゃん。」

「美月ちゃんと?」


やんわりそう聞く翔ちゃんに苦笑い。翔ちゃん一人ならよかったけど、手前でなっちゃんが思いっきりこっちを見てる。


「誰と?男?」


それからそう聞かれて仕方なくコクンと頷く。

次の瞬間、盛大にため息をつかれる。


「お前なんなの?」


あきらかに怒ってるのが分かる。だから翔ちゃんが「まぁまぁ、」って宥めた。

そんなに怒ることないのに。

そもそもの原因はなっちゃんなのに。


「じゃ、行くね。」


もう逃げてやろ!って早足でトイレに向かうと、なっちゃんが今更ながら追いかけてきて手首をグッと掴んだんだ。





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